2013.3.31


硫黄島 散歩道 新年度スタート

「世界自然遺産の島」 観光イメージ変わる━━小笠原村

    観光シーズンで来島者増加


 四月はサクラ吹雪の中で、入学、進学、新社会人の誕生の月。常夏の小笠原ではピンとこないが、内地は3月は寒く暗い冬に別れを告げ、4月は若芽がふき出し、花のつぼみが開く春への季節の変わり目。社会的にも新年度にあたり、小笠原でも、ピカピカの新入生が誕生。学校の先生、公務員の赴任など新しい村民が登場する。一年365日が、一巡して、私達個人も社会も日本経済もひと回り大きくなってきたと思いたい。

◆ 私たち小笠原の島は、亜熱帯・常夏の楽園である。で、これまたいつも思うことだが、例えば、避暑地といえば東京近辺では、「軽井沢」「八ヶ岳高原」などとすぐイメージが浮かぶ。では、避寒地リゾートは・・。温暖な「伊豆」、それとも最近は千葉県の太平洋黒潮が押し寄せる「房総半島」が思いつくが、不思議なことに、筋金入りの「小笠原」のイメージは浮かばない。

◆ 本土から南へ1,000キロと距離が遠い、という反論もあろうが、世界を見れば、この程度の距離はなんの障害にもなっていない。米本土から3千キロ以上離れたハワイ、欧州のフランス、スペイン、ポルトガルなどにも本土から離れた避寒リゾートの島はいくらでもある。

◆ いま各自治体で、観光おこしがすさまじい勢いで始まっている。小笠原諸島が世界自然遺産の候補地から登録地となった事で、「小笠原」へのイメージ大きく変わった。おかげで定期船「おがさわら丸」や豪華客船の来島者が増え、観光客数の増加が著しい。今こそ地域内の小さな観光資源まで徹底的に洗い出し、客寄せへの事業化につなげたい。観光への受け皿とイメージづくり、無作為の愚は許されない。今後も小笠原は、文字通り世界的な「自然遺産の島」となっていけるのか。小笠原には、とんでもない大きな“宝”があることを教えられた感じだ。

 ◎解説

「世界自然遺産」とは、1972年(ユネスコ)に採択された世界遺産条約に基づき、世界の自然は人類共通の遺産という考え方に立ち、その地域を登録、世界自然遺産の監視の中で保全しようという制度。


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