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コラム

 2009.8.07                                           
    ◆小笠原村壮大な構想 「第3次小笠原基本計画」を発表◆ 

          「持続可能な島」実現に向けて、夢の“村づくり”


 小笠原村で作った第3次小笠原村総合計画(平成16年〜平成25年までの10年間)「ダイジェスト版」が8月、村内に全戸配布された。それによると、第3次小笠原村総合計画は、第1次、第2次総合計画の理念を引継いで小笠原村の“望ましい将来計画の実現を図るもの”とし、これからの“村づくり”の施策の基本的方向を示すと共に個々の事業について村の最上位の長期計画としている。

 第1次、第2次小笠原村総合計画では、「豊かな村民生活と活発な経済活動に対応する安全、快適、機能的な村を作るために航空路の開設。観光客の受入れ体制とPR活動の充実を図るために村民総ガイド意識の高揚…」「交流アイランド・小笠原」「エコツーリズムを核とした観光立島」----等々が挙げられている。

  第3次総合計画は、「人と自然が共生する村」「快適に暮らせる村」「活力ある産業で自立発展する村」「全ての人々が安心して暮らせる村」「豊かな心でゆとりをもって暮らせる村」「国民のオアシスを提供する村」の6つを基本目標として揚げている。

 また第3次では 、この目標に基づいて 自然環境を保全しながらエコツーリズムを核とし、生活や産業と共生し、離島振興の世界のモデルとなる「持続可能な島・小笠原」の実現に努めたい。と、目標をしめした。

 基本計画のダイジェクト版を読んだある島民は、「そう説明されても、この基本計画自体の総体的なイメージがいっこうに見えてこない。そもそも、「持続可能な島」とか「自主性と自立性の確立」、「互助と連帯感の確立」----と、言っても私だけではなく、一般の村民には漠然としてピンとこない」と、述べる。 さらに村は、計画実現のためにとして「村民参加システムの確立」「効率的な行財政運営の確立」「職員の資質向上」と3つを協調しているが、中身は極めて抽象的な印象だけが残る。さすがにここまで来ると、もう何がなんだかさっぱりわからない。」 と、困惑気味。

 基本計画は、時代の変革とともに、掲げるキャッチフレーズが変わってきていることは否めないとしても、はっきり言えば、村民だれ一人としてこの基本計画を額面通りに受け取ってはいないだろう。「なんだかわからないが面白しろそう」なら、まだましだが、「さっぱりわからない」では見込みがない。村の描く基本計画の構想は余りにも壮大で、たんなる役人の言葉の遊び(スローガン)を羅列しているだけで、”絵に書いた餅”だと、誰にでもわかる。村民が知りたいのは、村長始めリーダーたちは「具体的にどんな“村づくり”をするの?」――という極く単純な思いだけだ。

 多くの村民は決して難しいことを期待しているわけではない。かみ砕いて具体的に分かりやすく教えて欲しいということだと思う。そうであれば、村民自ずからがどう考え、どう行動すればよいのかなどと一方的に決めつけられることなく理解を示し、自然に参画意識も芽生えてくるに違いない。

 視点を持ち、目標をたてることは正しい。そのこと自体は誠に結構だが、視点は知識と能力、それに少々の熱意と努力でなんとかなる。が、大事なことは一般社会では常に結果の成功(結果責任)を前提に物事を達成することが求められていることだ。

  首長・行政・政治(議員)をはじめ村のリーダーたちが「俺が俺が!」では、いつまでたっても前に進まない。「さぁー皆んなで一緒に前に進もうよ」という心が、先ず最初に求められのではないだろうか。不毛の議論のキャッチボールはこの辺で終りにして、今、村民が何を求めているのかをよく見極め、優先順位を決めて、出来ることから始めてはどうだろうか。

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