【写真は完成予想図・国土交通省提供】
(2006/09/23 )
超高速旅客船「テクノスーパーライナー」(TSL)の小笠原航路(東京−父島)就航を国土交通省が再検討すると表明したことについて、石原慎太郎都知事は22日の記者会見で、年間約30億円の赤字が見込まれるなどの問題点を挙げて「すぐには結論はでない」と語り、就航は困難との見解を示した。
北側一雄国交相は同日、閣議後の記者会見で、TSL就航を都と再検討することで合意したと表明。国交省と都が協議会を設置することを明かした。
一方の石原知事は「正式な協議会をつくる必要はない。担当者が話し合えばいい」と語り、北側大臣の発言とは隔たりを見せた。石原知事は「財政的に国がどこまで金を出すか。長期的にどれだけ(出資を)続ける意思があるかだ」と都が多額の財政負担をかぶらないよう、国をけん制した。
都は既に東京−小笠原諸島の航空路開設に向けて、TSL就航を削除した小笠原諸島振興開発計画の変更素案を作り、現在、都民の意見を募集している。
(2005年08月1日 )
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東京大学大学院工学科の宮田秀明教授が、日経BP社発行の6月号で、次世代型高速船テクノスパーライナー(TSL)の就航断念について、「客より燃料が重い船」と題する一文を掲載、就航とん挫の必要性を指摘。いま業界で話題を呼んでいる。(海事特報・6月25日付)
報道によると、宮田教授は「(就航とん挫の)根本的原因は空気圧で浮上する仕組みを使った高速船のシステムにあるとし、さらにペイロード(乗客などから料金を取れる積載重量)よりも、燃料が重いシステムを採用したことによるとしている。
確かに、テクノスパーライナーは父島二見港に専用の給油施設を造らないため、東京出航のさいに東京〜父島往復分の燃料を積載することになっていて、航続距離はその関係で2、200キロとなっていた。小笠原航路では積み込む燃料があまりに膨大であるため、燃料を運搬するために燃料を消費する形となり、採算をとることは全く覚束なかったといえる。
また、宮田教授は、現在の輸送機器で燃料が重くても採算が取れるのは時速800キロの高速で移動する航空機だけと指摘。さらに、TSLは航空機の十分の一以下のスピードで、ペイしないのは当然で、これに昨今の燃料費高騰がダメ押しになったとしている。同教授は「いまも造船所に繋留されたままで、投資額(115億円)こそ二ケタ少ないとはいえ、東京湾アクアラインや本州四国連絡橋に匹敵する失敗作だった」と付記している。
長期にわたってこのプロジェクトを推進しサポートしてきた国土交通省や保有会社、建造した造船所にとっては、誠に頭の痛い宮田教授の発言といえなくもない。 日経BP社発行の6月号で宮田教授が発表した記事は、テクノスパーライナーの失敗の不可避性、必然性を指摘した見解はこれまでなかった。
NEW(2005年06月16日 )
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国交省は26日、三井造船が事業主体となって開発を進めている、次世代高速船「テクノスーパーライナー(TSL)」の実験航海を和歌山県沖の紀伊水道で行い、最高速度83キロの新記録を達成し、成功裏に終わった。実験後、北側一雄国土交通大臣は「非常に安定した航行で世界最先端の造船技術を体感できた。関係者の努力を成果としてつなげるために、さらに技術を伸ばし、国内外の普及に努めたい」と、安定航行の成果や造船技術の高さを強調し、災害派遣や航路変更など実用化に意欲を示した。
実験航海には、江崎鐵磨国土交通副大臣、石田真敏同大臣政務官、西博義代議士、鶴保庸介参議院議員ら国会議員、国交省、三井造船(株)関係者をはじめ、中井勤由良町長、向井孝行御坊市議会議長、西本和明同議会港湾火力対策特別委員長、吉田擴御坊商工会議所会頭ら県、地元関係者ら約250人が乗船した。
実験航海は、紀伊水道を北上して淡路島沖で折り返す110キロで高速航行を行い、性能や他船への影響など各種データを収集し、速度も83キロ(45ノット)の最高記録を達成。40ノット(74キロ)以上はほとんどの人が初体験の世界で海の新幹線といわれる高速航行を楽しんだ。当日は、波が約2メートルあり、風も強かったが、ゆれの少ない安定航行に来賓や地元関係者も驚いていた。
同船は当初、東京―小笠原航路で平成17年11月に就航する予定だったが、運航会社の小笠原海運(東京・港区)が「原油高で年間赤字額が最大20億円になる」として昨年に利用を断念し、以後、新たな引き渡し先は見つかっていない。三井造船は建設費の約115億円を回収できず、維持費の負担も発生している。
TSLは航空用ガスタービンを動力源にしたハイテク船で、実験に使った船は昨年、東京―小笠原航路で就航を断念となっていた「スーパーライナーオガサワラ」。全長140メートル。幅30メートル。総トン数1万3923トン。定員740人。東京〜小笠原を航海する実用化第1号船として三井造船(株)が115億円で建造したが、原油高などで昨年秋に東京都が公的支援を断念。就航できないまま、今も利用のメドは立っていない。
NEW(06年01月20日)
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世界初、夢の超高速貨客船「テクノスパーライナー・オガサワラ」(TSL)の小笠原就航がとん挫している問題を巡り、船主の「テクノ・シー・ウェイズ( 港区)が、リース契約を結んでいた運航事業者「小笠原海運」(港区)にチャーター料の支払いなどを求めた仮処分申し立てで、東京地裁は8日( 1月 )、申し立てを却下する決定をした。
決定によると、テクノ社は2004年11月、05年10末までにTSLを小笠原海運に引き渡す契約を結んだが、テクノ社は、建造船会社三井造船からTSLを購入する資金が調達できず、契約通りの期日に同海運に引き渡せなかった。決定は、「TSL就航は、公的支援が不可欠。それが困難な現状では、引き渡しは不可能だ」として解約を認めた。
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(2005.12.19)
2005年11月(平成17年)に就航する予定だった、世界初の超高速船『テクノスーパーライナー(TSL)』の運航が中止になったことを受けて小笠原村は、12月17日・18日の2日間、地元の父・母島の両島で「村民説明会」を開いた。 同説明会には、村民ら約120名が集まり、説明者側からは、東京都清宮真智子・総務局多摩島しょ振興担当部長、西村泰信・同課長などの他、小笠原村からは森下一男村長はじめ同村役場幹部らが出席した。
今回行われた説明会は、都が小笠原村の要請を受けておこなわれたもので、先ず、森下村長が冒頭で「(TSL小笠原航路就航断念での決定を見て)私はこのような実状に失望と共に強い憤りを覚えた。そうしたことを、これまで都や国に強く訴えてきた。就航が危ないという雰囲気のなかでこれまで予断を許す発言はさし控えてきた。そのため@都や国に断念したことについて、村民へ説明してもらう。A今後の支援、振興策の充実を図ってもらうことなど お願いした。」と述べた後、小笠原村としての今後の問題の取り組みについて「都からの支援をお願いしていくほか、エコツーリズムの推進、街並みづくり、観光施設の充実、など 世界自然遺産への登録など進めていきたい」と改めて考えを示した。
さらに、都の西村泰信・課長が『これまでの経緯について』の説明。続いて、清宮真智子・多摩島しょ振興担当部長が就航断念の支援を断念した理由などのほか、都として交通アクセスについて「もう一度考え直さなければならない」とした上で、今後の方策として「@もう一度航空路開設の早期実現を図っていく。Aこれからの小笠原村の観光振興を都と共に考えていきたい」と話し、早急に検討していきたいと述べた。
この後、質疑応答に入り、島民の友永成太さん、宮川典継さんなど24名が署名した島民有志から『村長と村長をサポートする村役場幹部に質問します』という表題で、「小笠原の経済は今深刻な状況。そんな中で、TSLは救世主とも言うべき存在だった。就航が断念されたことは村民に取って大きなダメージに繋がる。村長をサポートする村役場幹部の方々はどれだけ把握していたのか。村長は、9月の議会でこの大きな問題を小笠原海運とも一度もひざを交えて話し合いをしていないと、議員の質問に答えていたが、この発言の責任は何処に消えたのか。また、村政の歴史に残る様な大きな問題、失態を村長、村役場幹部はどう受け取り、どう責任を取るのか」など、5項目からなる質問が読み上げられたが、場内からは共鳴する拍手が沸き起こった。
これが皮切りとなって、村民からは、都や村長、村幹部に対して、これまでのTSL対応への不信感と疑問点が多く出され、不満が一気に爆発。会場の雰囲気は一変した。
友永さんは、都の清宮部長、森下村長の応答を聞き「いま、村長や都側から縷々説明を聞いたが、我々はそんな心情ではない。『TSLが駄目になったから、今度は空港開設を----。』というが、村内は今、財政的にも危機的状況が続いている。私達の話しを全くわかっていない。いま村民がどんな気持ちでいるのか、明日からどうするのかを聞いているのだ。」と、怒りをあらわにする。
さらに、友永さんは「村長は、村民がこうした状況に立たされていることをどれだけ把握しているのか。村民には一向に伝わってこない。村内は、かってない不況に見舞われ多くの村民が苦しんでいる。村民は村にも村議会にも大変失望している。村長は『理解を、協力を---』というが、問題をすり替える様なことには、とても信じることは出来ない」と、悲痛な思いを訴えた。そのほか、村民から切実な数々の生の声上がり、会場からはその度に大きな拍手があがった。
また、TSLが就航するからと扇浦の分譲地を購入したH・Mさんは「村から、TSLが就航すれば宿泊が足りなくなるからといわれ、30年来の夢がかなうと思い民宿をやろうと決めた途端に今回の就航断念の話しがあった。土地を購入した人たち全員に村長に「意見書」を出したが、未だに返事がない。買った人たちも返済計画も立てられず苦しんでいる。こうしたことの実状を都知事にも伝えてほしい」と訴えた。
これに対して村長は、「TSL受入れ対策の一環として考えたことだったが、今となっては返す言葉もありません。石原都知事に伝えたい」と、謝罪した。
さらに、若い女性のM・Kさん(28)からは「都や村長は,TSLの就航が駄目になった理由をしきりに説明しているが、誰も謝罪も責任も取ろうとしていない。村民は誰も納得していない。まるで真摯な姿勢が見られない。村は緊急対策として(7.500万円)もの予算を安易に使って『格安ツアー』を行なっているが、一度価格破壊をしたら元に戻すことは大変だと思う。お金を有効利用というなら、いま出来ている船(TSL)をこの期間に有効利用すればいい」と訴えた。
これに対して村長は、「格安ツアーは単なるツアーではない。閑散期での『格安ツアー』は効果があると言われているので検証して見ることが必要と考え、先に繋がると思って実施した。全く弁解の余地が無い。申し訳ないと思っている」と謝罪するに止まり、責任問題については言及を避けた。
集会では、他の数人の村民からも同じような意見や質問が村長に対して出され、存在理由、存在価値そのものを問われているにも関わらず、自身の責任の所在、責任の取り方など今後どう対応していくのか、明日からどう対処していくのかについては触れられることはなかった。村長就任以来、これほど批判が相次いだことは初めて。
森下村長は最後の挨拶で「国〔国交省)や都にTSL就航断念について、村民に説明だけはしてほしいと頼んだ。都の清宮部長にも村民の皆さんの声を必ず都に伝えてほしい。この困難を乗り越えていくには、村民の皆様のご理解とご協力を頂けなければいけないと思っています」と結んだ。
本紙の取材に応えて、清宮多摩島しょ担当部長は「村民の皆さんの意見、気持ちは良くわかった。都の担当窓口として真剣に受け止め、今後、都と村が連携して出来ることを検討していきたい」と話していた。
◇ ◇
※・本紙7月社説欄 森下村長所信表明 「TSL問題」
(05.7.9掲載)の 村議会所信表明も参考迄に〔お読み下さい)
(2005.12.01)
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東京―小笠原間に就航する予定だった超高速船「テクノスーパーライナー」(TSL)について、国交省と東京都は11月9日、正式に支援のための来年度の予算計上を見送ることを明らかにした。これを受けて小笠原村は12月1日、「TSL運航事業に対する東京都の予算断念措置を受けて、国(国交省)による『公的支援スキームの構築を断念せざるを得ない』とのコメントがありましたが、今回の村長(森下一男)出張上京の中においても、そのことが確認されました。大変遺憾ではありますが、これによりTSLの小笠原航路就航がなくなりました」と「村民だより/12月号」に掲載し、TSLに関する「説明会」を12月17日(父島)・18日(母島)に開催する旨を、村内全世帯に広報した。
同誌によると、今回開かれる説明会は小笠原村の要請を受け、東京都(総務局行政部地域振興小笠原担当部長)などの参加を得たものだとしている。同説明会では、TSLに関するこれまでの経緯と緊急対策事業、金融支援対策、扇浦分譲地など、今後の対応についても村民に説明し理解を求めたいとしている。
◇ ◇
□ズサンな就航計画に村民の怒り□
迅速さ欠く小笠原村の対応
TSL就航中止の報道はすでにこの時点で村内全域に知れ渡っており、この間、村長や小笠原村当局から村民に具体的な詳細は知らせられることはなかった。一部の村民は怒り、説明会そのものを「いまさら」と反対する声も上がっている。
どの段階で誤りがあったのか明確なことはわからない。ある村民は「村長はTSL就航中止の報道があったとき、一刻も早く事実関係を東京都や国、小笠原海運に確認した上で、村民に対して説明会を開くなどして速やかな対処をしてほしかった。対応が遅すぎる」と、ホゾを噛むのだが表向きはともかく、実態は国が主導権を握りテクノシーウェイズ(TSW)が実行部隊となって動くズサンな計画だった。が、小笠原村はこの計画に乗ってしまった。しかし、「村民に対して、村として村長の説明責任はあるはず。」と話す。(前出の島民)
別な島民は「〔TSLが)就航すれば、年間10万人の観光客も見込める。小笠原の観光振興や島民の生活安定にも繋がり小笠原村の発展にも大いに貢献できると、まるでバラ色になるようなことを国やTSW、造船会社も声高らかに話をしていたが、今は全く騙された思いだ。」と悔しさを滲ます。
TSL運航の受け手である村は、いまや地域振興の将来計画を大幅に変更せざるを得ない状況となってしまった。国(国交省)が“笛や太鼓”で高らかに掲げた理念や計画とは裏腹に島民にとってささやかな“夢や希望”が、当局によって島民をないがしろにした姿勢が目立つ。例によって“島民”には相変わらず何も知らされない。
東京―小笠原間に就航予定だった超高速船「テクノスーパーライナー」(TSL)について国土交通省が支援見送りを表明したことに関し、石原慎太郎東京都知事は旧運輸省が国策としてTSL開発を推進した点を指摘し、「この責任は国が取らざるを得ない。」とした上で、「代替案として小笠原に1000m程度の滑走路を持つ第三種空港の必要性を述べ、これから先、合わせて考える必要がある。建設の費用とその効果、環境に及ぼす影響などをシミュレーションしてやっていきたい」と語っていたことが、わずかに残った島民のささやかな“希望”にいま、つながっている。【山縣 浩】
【村民説明会日程】
日時・[父島]12月17日(土)午後7時(父島・地域福祉センター)
[母島] 18日 (日)午後7時(母島村民会館・体育室)
※・問合せ先 小笠原村役場総務課政策室 TEL・04998-2-3111
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(2005年 11月24日 )
【ワシントン23日共同】国土交通省と東京都が計画していた超高速旅客船テクノスーパーライナー(TSL)の小笠原航路(東京−父島)への就航中止が決まったことを受けて、日米両政府が合意した在日米軍再編の中間報告で導入に言及した高速輸送艦(HSV)に、同船を転用する案が日本政府内で浮上していることが分かった。外交筋が23日明らかにした。
在日米軍再編では沖縄の米海兵隊約6000人のグアム移転などで合意。同時に、抑止力維持のため、海兵隊などを迅速に搬送できるHSVの導入を検討しており、日本の造船会社などでつくる民間企業が約115億円をかけて建造したTSLの新たな活用先として名が挙がった。
(2005年 11月13日 )
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東京―小笠原間に就航予定だった超高速船「テクノスーパーライナー」(TSL)について国土交通省が支援見送りを表明したことに関し、石原知事は旧運輸省が国策としてTSL開発を推進した点を指摘し、「この責任は国が取らざるを得ない」と語った。
この問題では、運航する予定だった小笠原海運がリース契約解除を通知したのは無効だとして、船舶保有会社が東京地裁に仮処分を申請している。
石原知事は、小笠原空港建設にも改めて言及し、「(地方自治体が設置・管理する)第三種空港を代案として考える以外にない」と語った。
(2005年 11月09日 )
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国土交通省と東京都が計画していた超高速旅客船テクノスーパーライナー(TSL)の小笠原航路(東京−父島)への就航中止が9日、決まった。今後は空港建設など小笠原振興策のほか、115億円かけて建造したTSLの有効活用が課題だ。
東京都が2006年度予算でTSLを運航する会社に財政支援の断念を正式に決めたことを受け、国交省が同日、中止を発表した。国交省は「離島航路へ支援の主体は地方自治体であるべきで国の単独支援はできない」と説明、06年度予算の概算要求に盛り込んだ1億5000万円の支援は取り下げる。
(2005年 11月01日 )
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国土交通省の星野茂夫海事局長は21日の記者会見で、東京都と都議会で「TSL小笠原航路就航の支援は極めて困難」との発言を置けて「超高速貨客船テクノスパーライナーの小笠原航路支援策については、予算措置が来年度の東京都の予算に組み込まれるのか動向を見極めて、最終的に判断したい」と語った。
また、星野局長は都との検討状況について、「TSLの小笠原航路就航は極めて大きな政策意義を持つことから、都と共同で支援スキームができないか調整してきたが、都としては厳しいとのことなので、現状ではスキーム構築の見通しが立っているわけではない。ただ、まだ議論が続いており、小笠原村サイドも強い期待がある状況なので、国の最終判断にはもう少し手順が必要」と述べた。さらに、TSL竣工が迫っていることについては「船サイドの議論は、テクノー・シー・ウェイズ(TSW)を中心に具体的なアクションを考えていると思う。責任のある判断主体はTSW。国として協力していくことは有りうるし、、適切に対応していく」と語った。
(2005年 10月31日 )
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東京―小笠原航路を約17時間で結ぶ予定の次世代高速船「テクノスーパーライナー(TSL)」の保有会社が20日、船主の「テクノ・シーウェイズ」(本社・東京港区)が運航事業者の小笠原海運(同)に対し、「小笠原海運による用船契約の解除は無効」とする仮処分を東京地裁に申請し、第1回の審尋が28日、同地裁であった。
テクノ社は、5月31日を引き渡し期日として同船を小笠原海運にリースする予定だった。しかし、小笠原海運は、昨秋の台風で建造中の船が被害を受けて契約通りの引き渡しがなかったことなどを理由に、6月2日にテクノ社側にリース契約の解除通知を出した。
小笠原航路への就航が予定されていたテクノスパーライナー(TSL)は10月12日、三重県沖で海上試運転が行われ、各種試験項目を終了。6月に小笠原海運から提出されていた用船契約破棄通告により、就航が宙に浮いている。
仮処分を申請したテクノ・シーウェイズ(TSW)は三井造船、日本政策投資銀行、日本郵船など13社の共同出資会社。三井造船が建造するTSLを保有し長期用船する契約を小笠原海運と結んでいた。 (2005年10月28日22時)
(2005年 10月19日 )
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国(国土交通省)が建造費115億円をかけて開発し、東京と小笠原諸島の父島の間をこれまでより10時間早く結ぶ船として、ことし秋の就航を目指していた超高速船「テクノスーパーライナー」(TSL)の就航計画について、東京都は18日、都議会の委員会で、「毎年の赤字の額も支援の限度を超える。高速船の導入は非常に困難だと判断している」と述べ、国が巨額の費用をかけて建造した高速船の就航が断念される見通しが強まった。
東京都は燃料となる軽油の価格が高騰していることや、旅客数が期待するほど伸びないと予想されることから、就航した場合、毎年20億円程度の赤字が見込まれるとして、財政支援しない方針を固めた。この問題については、今年6月、運航を請け負う船会社の小笠原海運(東京・港区)が契約を破棄し、国が東京都に一定の財政支援を求めていた。
国土交通省は「今後、東京都の真意を確認したうえで、国としての対応を検討したい」と話しいる。
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〈テクノスーパーライナー(TSL)は99年、国のプロジェクトに位置づけられ今秋、東京―小笠原諸島・父島に就航する予定だった。同船は、国内主要港やアジアを結ぶ海上交通手段の大型プロジェクトとして、旧運輸省(国土交通省)が民間の造船会社と共同開発した世界最大級の超高速船。乗客数約740人、空気で浮かせることにより時速約70キロの高速航行ができる。 10/19
(2005年 9月22日 )
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建造費115億円。全長140メートル、幅30メートル、乗客数740名、世界最大級の総アルミ製の大型船でありながら、ホーバークラフトのように浮き上がり、ガスタービンを使って時速70キロものスピードで突っ走る。さながら“海の新幹線”!。
テクノスパーライナー(TSL)は、東京〜父島を結ぶ小笠原航路で今年7月にデビューするはずだった。それが台風の影響で工期がのびて11月に----。「更に来年3月“以降”になりました。もう無理なのでしょう。これまでの片道25時間30分が、17時間になるのですから地元の期待は大きかった。でも、島民の多くはすでに諦めムードですよ」(父島島民)
原油価格の高騰のため年間20億円もの赤字がみこまれ、それに対し国も東京都も支援はしないと度々報じられるようになったのだ。とは、小笠原村の櫛田真昭村会議員だ。
「TSLの燃費の悪さは業界では周知のこと。国交省が中心となって国策会社まで作り、建造資金を調達した以上、民間にリースしなければならない。目をつけたのが、国内で唯一黒字航路だった小笠原航路。無論、運航会社の小笠原海運は乗り気ではなかった。試算では、原油価格が上がる前から年間8億円の赤字でしたからね。ところが小笠原村が手を上げてしまったから、海運は国と都に支援の覚書まで貰っておいたのです。にもかかわらず、支援は得られそうもない。年間8億5000万円を払いつつ、20億円の赤字を出す運航会社が有りますか」(同)
国策大型船(TSL)、就航できなかった時の責任は何処に? (9月22日号/週刊新潮)
(2005.06.5)
国家プロジェクトとして開発され、今年11月、小笠原航路に就航する世界最高速の大型旅客船「テクノスーパーライナー(TSL)」について、海運会社が年約20億円の赤字が出ると試算し、国や都に早くも経営支援を求めていることが4日、わかった。TSLは一般船舶の約5倍の燃料代を費やすため、最近の原油高騰の波をもろにかぶる恐れが強まっているためだ。国、都とも補助金制度の財源は乏しく、前例のない「高額赤字補てん」ともなるため、対応に苦慮している。
TSLは、ホーバークラフトのように船体を空気圧で浮上させるという、大型船では世界初の推進構造を持つ。最高速度約40ノット(時速約70キロ)で、一般旅客船の約2倍。同じ大きさの最高速フェリー(約30ノット)を大きくしのぐ。
第1号船は岡山県内のドックで今夏、完成を迎える。試験航海を経て「小笠原海運」(東海汽船、日本郵船の連結子会社)に引き渡され、今年11月、小笠原航路(東京―父島)に就航する予定。現在の片道約26時間はTSL導入後、17時間に短縮される。
国土交通省が同航路を新型船の“初任地”に選んだのは、年約4万人が利用する「黒字路線」であることに加え、島の空港建設中止を唱えた「石原都政」が強力に誘致を推進したため。小笠原海運はこうした流れの中、2003年1月、政府系企業と18年のリース契約を結び、毎年8億円を支払うことで合意した。
ところが、昨年夏以降の原油高騰で、運航コストに重大な懸念が出てきた。一般の船が重油を燃料とするのに対し、TSLはそれより高い軽油を使うため、このまま値段が下がらなければ、採算を大きく割り込むことは必至の情勢だ。
同社が今春の市場価格で試算したところ、燃料費は1往復約2000万円と判明。当初見込みの2倍に上り、満員でも採算が取れないという。さらに、契約当初、就航と同時に現在稼働中の「おがさわら丸」を売却する方針だったが、未知のハイテク船への全面転換はリスクが高いと判断、1年間は代用船として保有することを決めた。この維持費も数億円に上り、同社は出航約70回、旅客約5万人を見込んで収支を試算したところ、年約20億円の赤字は避けられないとの経営見通しを出した。
個室使用料などの値上げも検討しているが、島唯一の生活路線のため、基本運賃(往復約4万5000円)の大きな値上げは難しいと見られる。
離島航路には国交省と自治体が共同で、赤字を埋める補助金制度がある。事前の届け出が必要で、同社は5月末、同省と都に収支見通しを提出した。
しかし、国の予算は年38億円、都は9億円ほど。いずれも全額を他の赤字航路に費やしており、TSL次第で大幅な負担を迫られかねない。国交省は「20億円とは……」と困惑。都も「支援はしたいが、補てん額が多すぎる」としている。
国交省は、TSL就航で小笠原観光が“ブレイク”することを当て込み、「旅客10万人が利用」との需要予測も出していた。小笠原海運の関係者は、「補助金に頼るのはしのびないが、とても一企業が背負える損金ではない」と話している。
(2004.12.03)
今年11月13日、東京−小笠原父島を運航する超高速船テクノスーパーライナー(TSL)(船名・「スーパーライナーおがさわら」約14.500トン、定員725名)の命名・進水式が行われた。これを受けて、小笠原村は12月3日、島民88名を集めて午後7時から地域福祉センターで3回目の「村民説明会」を開催した。説明会には、国土交通省、テクノ・シー・ウェイズ柴原三朗副社長を初め、小笠原海運(株)から石崎清之氏(常務取締役)・水野勇氏(TSL対策室長)、三井造船(株)から亀井修玉野造船艦船設計部長ら6名が来島し説明にあたった。
説明会では、前回と同様の(1)「スーパーライナーおがさわら」の進水式の模様(2)「スーパーライナーおがさわら」の概要(3)「スーパーライナーおがさわら」就航までのスケジュールなど、担当者から 説明がされた。また、TSLの運賃について、運航会社である小笠原海運の石崎常務は、「運賃体系を若干変更することもありうる」などの案を示した。
テクノスーパーライナーは、平成元年より次世代を担う船舶として日本の造船技術の粋を結集し、アルミ合金製の軽量双胴船体と、ガスタービン2基+ウォータージェット推進器2基の推進系と浮上機関の空気浮上により40ノット近い高速航行(時速約70km)を可能とするいわゆるTSL船型で、この種の船舶としては世界最大級の超高速船として建造・運航されることになる。
「スーパーライナーおがさわら」は、東京から小笠原への所要時間がこれまでの25時間半から17時間程度に短縮され、島民の利便性の向上や島の活性化に寄与される。また、竹芝を夕方に出て翌朝小笠原に着くナイトクルーズ便が可能になり、便数も週1便から2〜3便に増やせるという。
東京−小笠原父島を運航する超高速船テクノスーパーライナー(TSL)(船名・「スーパーライナーおがさわら」約14.500トン、定員725名)の命名・進水式が13日、岡山県玉野市の三井造船玉野事業所で行われた。=写真=(提供小笠原チヤンネルより)式典には、TSL保有会社の「テクノ・シーウェイズ」と三井造船、運航を担当する小笠原海運のほか、小笠原村からは森下一男村長、池田望村議会議長などが出席した。
超高速船テクノスーパーライナー(TSL)は、当初平成17年(2005年)春に東京〜小笠原間就航を予定して建造されていたが、その後、建造計画が若干遅れ5月に完工し、2005年7月に就航が変更されていた。しかし、今年6月の台風16号が上陸、造船所にも影響を受けたことから就航がさらに遅れ、来年秋になる見通し。
テクノスーパーライナー(TSL)建造計画は、1989年に運輸省(現・国土交通省)により開発推進が決定され、99年にミレニアムプロジェクトに選定された TSLは、「飛翔」など実用船建造と運航など行なっていた。その後、同船の建造計画は着々と進められ、昨年1月、新形式超高速船 (テクノスーパーライナー(TSL))を保有・管理する(株)テクノ・シー・ウェイズは,三井造船株式会社との間で建造契約を締結。また同時に、運航者となる小笠原海運株式会社との間で用船契約が締結され昨年8月に起工した。
テクノスーパーライナー(TSL)は船体材料質にアルミを用いた軽量双胴船で、プロぺラを使わないウオータージェットポンプ方式を採用。航海速力38ノット(時速70キロ)の超高速船 で、現在25時間30分かかっている東京〜小笠原間1.000キロの小笠原航路を16〜17時間程度に短縮されるため、地元小笠原村では観光振興への効果やこれまで以上の利便性の向上が期待されるとあって、島民上げて就航を待ち望んでいる。
平成17年7月に小笠原航路に就航が予定されている、夢の超高速船「テクノスパーライナー(TSL)」の起工式が8日、三井造船玉野造船事業所(岡山県玉野市)でおこなわれた。式には、三井造船(株)のほか、同船の保有会社のテクノ・シー・ウェイズ、運航を担当する小笠原海運、国交省などの関係者と共に、小笠原村から森下一男新村長や村幹部らが出席して起工を祝った。起工式を行なった。TSLは、三井造船玉野工場で建造を開始し、2005年7月からの就航を目指している。
世界初となる超高速船「テクノスパーライナー(TSL)」は、平成元年から次世代を担う船舶として、日本の造船技術の粋を結集して開発された、アルミ合金製の軽量双胴船体とガスタービン2基とウォータージェット推進器2基を備え、浮上機関の空気浮上により時速70キロ(40ノット)の高速運航を可能としている。
就航の暁には、現在、25時間半を要している 東京〜小笠原間を17時間に短縮し、年間就航便数も大幅に増加する。また、高速化により島民の生活基盤と利便性の向上も期待され、島の観光発展にも寄与することができそうだ。
(2003.5.28)
2005年7月に東京〜小笠原間に就航が予定されている、テクノスパーライナー(TSL)の造船を担当している三井造船はこのほど、TSLの主機関など主要材料の発注先を固めた。同社によると、船体部分は古河アルミが担当し、全重量1.400トンのアルミ材のうち、国産アルミを7割、輸入アルミを3割使用することを予定している。浮上機関は新潟原動機の「ブルーアロー6000、20FX型高速機選(3.000〜4.000KW)」を4基搭載することはすでに決定している。推進機関はアメリカのゼネラル・エレクトリック(GE)社の「航空転用型ガスタービンLM2.500+」を2基採用。国内では、石川島播磨重工がライセンシー、推進器にイギリスのロールスロイス社製のウオータージェットポンプを採用する。
そのほか、シール部門は東洋ゴム工業、発動機はダイハツディーゼル各社が担当する。現在、詳細設計やアルミ材などの発注が始まり、今年夏からの加工開始を予定している。
1989年に運輸省(現・国土交通省)により開発推進が決定され、99年にミレニアムプロジェクトに選定された 超速船TSLは、その後、「飛翔」など実用船建造と運航など行なっている。
今年1月、新形式超高速船 (テクノスーパーライナー(TSL))を保有・管理する(株)テクノ・シー・ウェイズは三井造船株式会社との間で建造契約を締結。また同時に、運航者となる小笠原海運株式会社との間で用船契約が締結されている。
テクノスーパーライナー(TSL)は、平成17年春の就航を目指して建造され、船体材料質にアルミを用いた軽量双胴船で、プロぺラを使わないウオータージェットポンプ方式を採用。航海速力38ノット(時速70キロ)の超高速船 で、現在25時間30分かかっている東京〜小笠原間1.000キロの小笠原航路を16〜17時間程度に短縮する。
航海速力50ノットを目標としているTSLは、船体を軽量化することが課題となっているが、世界初の外洋を航海出来る超大型アルミ船として注目されている。同船は、今年夏には加工を開始し、2004年初めに起工を、10月に進水、2005年5月に完工を予定している。
(2002.1.16)
運賃体系(案)、TSL船内設備など説明
今年1月15日、超高速船(TSL)を保有・管理する(株)テクノ・シー・ウェイズが建造造船所の三井造船株式会社との間で建造契約を締結。また同時に、運航者となる小笠原海運株式会社との間で用船契約が締結された。これで2005年4月(平成17年)に就航する予定の世界初の超高速船『テクノスーパーライナー(TSL)』の小笠原航路就航の実用化に向かって本格的に動き出した。1989年に開発がスタートした、新形式超高速船 (TSL)は今回の契約で初の実用化が決まった。
これを受けて、小笠原村は、2月13日・14日の2日間、地元で2回目の「村民説明会」を父・母島の両島でを開いた。父島で開かれた同説明会には、約110名の島民が出席(母島約40名)。説明者側からは、山内康勝(テクノ・シー・ウェイズ社長)を初め国土交通省の田中護史氏(海事局造船課調整官)、小笠原海運(株)から石崎清之氏(常務取締役)・水野勇氏(TSL対策室長)、三井造船(株)から山賀秀夫氏(技術部長)、小野志郎氏(同本部基本設計部長)ら6名が来島し説明にあたった。
説明会では、前回と同様の(1)テクノスーパーライナーとは(2)小笠原TSLの概要(3)TSL就航までのスケジュール(4)TSL保有会社(5)トータルサポートシステム(=写真右=)など担当者から 説明がされた。
また、TSLの運賃について、運航会社である小笠原海運の石崎常務は、「運賃体系を若干変更することもありうる」としたうえで「JR列車の運賃体系に近い形で設定を考えている。例えば、2等運賃は乗船賃として設定(ジュータン席、25.200円)、2等ベット席はベット使用料プラス1万円(現行の特2)S寝台はプラス1万5千円としたい」などの案を示した。
テクノスーパーライナーは、平成元年より次世代を担う船舶として日本の造船技術の粋を結集し、アルミ合金製の軽量双胴船体と、ガスタービン2基+ウォータージェット推進器2基の推進系と浮上機関の空気浮上により40ノット近い高速航行(時速約70km)を可能とするいわゆるTSL船型で、この種の船舶としては世界最大級の超高速船として建造・運航されることになる。
東京から小笠原への所要時間が、これまでの25時間半から16時間に短縮され、島民の利便性の向上や島の活性化に寄与される。また、竹芝を夕方に出て翌朝小笠原に着くナイトクルーズ便が可能になり、便数も週1便から2〜3便に増やせるという。
東京(竹芝)―小笠原父島間を結ぶ 新形式超高速船 (テクノスーパーライナー(TSL))を保有・管理する保有会社「(株)テクノ・シー・ウェイズ」は6月18日、臨時株主総会を開き役員陣容など明らかにした。
新会社は日本政策投資銀行のほか、三井造船、石川島播磨重工業、日本郵船など海運・造船会社や商社など計13社が32億8千万円を出資し、本社は浜松町に置く。
TSLが就航すると、東京から小笠原への所要時間が、これまでの26時間半から16時間に短縮され、島民の利便性の向上や島の活性化に寄与される。新会社では、TSLを始めとする新形式超高速船の保有・貸与のほかTSSの開発・提供および海上輸送システム開拓事業などを行う。
TSLは、時速約70キロ・メートルで走る725人乗りのTSLを保有し、運航は小笠原海運(株)にリースする。 これでTSL小笠原航路の開設が「有力」から「ほぼ確実」となり、2005春の就航に向けて運航体制が整うことになった。
■新会社の概要■
新会社名称:(株)テクノ・シー・ウェイズ(Techno-Seaways .Inc.)
所 在 地: 東京都港区浜松町1-12-10 登茂ビル2階
電 話 ・ 03-5402-6261
代表取締役社長:山内 康勝
資 本 金 : 32億8千万円
設立年月日 : 平成14年6月18日
事業内容 : 新形式超高速船の保有・貸与
TSSの開発・提供 海上輸送システム開拓事業
【新役員】
代表取締役社長 山内 康勝(住友重機技監、元運輸省海上技術安全局技術課長)
代表取締役副社長 柴原 三朗(三井造船(株)官公庁船・高速船部長)
取締役総務部長 中西 政巳(日本政策投資銀行参事役)
取締役技術部長 木原 和之(日本海洋科学執行役員)
非常勤取締役 原 純(三井造船(株)船舶・艦艇事業本部副事業本部長理事)
非常勤取締役 大槻 哲史(日本郵船企画グループ長)
監 査 役 立石 正之(前コンテナ輸送専務)
◇ ◇
(参考)海上輸送システム開発会社への出資者
三井造船(株) 10億円。 日立造船(株) 1億円
日本政策投資銀行 9億8千万円 三井物産(株) 1億円
石川島播磨重工業(株) 3億円 三菱重工業(株) 1億円
日本郵船(株) 1億円 三菱商事(株) 1億円
川崎重工業(株) 1億円 日本通運(株) 5千万円
住友重機械工業(株) 1億円 (株)日本海洋科学 5千万円
日本鋼管(株) 1億円
(2002.5.4)
国土交通省及び東京都は、実用化にけて進めている超高速船「テクノスーパーライナー(TSL)」を、 2004年度(平成16年度)に小笠原村・父島ー東京(竹芝)間で就航させる方針を固め、実現に向けスタートした。
これを受け小笠原村は、5月21日(母島)、同22日(父島)の両日、 国土交通省、三井造船ら関係者を招き、TSLに関する概要や現況について、「TSL村民説明会」を開催する。
今回の説明会は、TSL就航がほぼ確実になったことを受けて、これまで村、議会、各団体代表にされていた「説明会」を更に広げ、村民に対して行う初めての「説明会」となる。
(2002.4.26)
テクノスーパーライナー(TSL)を初めとする高度船舶技術を活用した海洋システムの開発・事業化に取り組んでいる 国土交通省は、25日、東京(竹芝)―小笠原父島間を結ぶ超高速船「テクノスーパーライナー(TSL)」の保有会社を、5月中旬には設立すると発表した。
新会社は日本政策投資銀行(小村武総裁)のほか、三井造船、石川島播磨重工業、日本郵船など海運・造船会社や商社など、計13社が32億8千万円を出資し設立。時速約70キロ・メートルで走る725人乗りのTSLを保有し、運航する小笠原海運にリースする。 これでTSLは2004年度の就航に向けて、運航体制が整えられることになる。
新会社は、6月中に小笠原海運と用船契約、三井造船と建造契約を結ぶ。新会社の名称はまだ決まっていないが、社長には住友重機械工業(株)の山内康勝技監(元国交省海上技術安全局技術課長)が就任する予定。
TSLが外洋を長時間運航するケースは、世界的にも珍しく、新会社では実績を重ねながら、東京〜北海道間・九州〜上海間など、他航路でのTSL導入の可能性についても研究する。
小笠原航路は、現在、小笠原海運1社の「おがさわら丸」(6.679トン、定員1031人)で運航されており、片道25時間半、運航は6日に一便だが、TSLは、14.500トン程度で、乗客は約725名、貨物も約200トン搭載する。運賃は現行の2万3千円を維持。TSLが就航すると、旅客数は往復あわせ5万人。「TSL投入後2倍の10万人を集客できれば十分採算がとれる見通し(国交省)」。
東京から小笠原への所要時間が、これまでの25時間半から16時間に短縮され、島民の利便性の向上や島の活性化に寄与される。また、竹芝を夕方に出て翌朝小笠原に着くナイトクルーズ便が可能になり、便数も週1便から2〜3便に増やせるという。
なお、新会社では、TSLを初めとする新形式超高速船の保有・貸与のほか、TSSの開発・提供および海上輸送システム開拓事業などを行う。
◇ ◇
■新会社の概要■
資 本 金: 32億8千万円
設立年月日: 平成14年5月13日(予定)
事業内容 : 新形式超高速船の保有・貸与
TSSの開発・提供海上輸送システム開拓事業
◇ ◇
(参考)海上輸送システム開発会社への出資者
三井造船(株) 10億円。 日立造船(株) 1億円
日本政策投資銀行 9億8千万円 三井物産(株) 1億円
石川島播磨重工業(株) 3億円 三菱重工業(株) 1億円
日本郵船(株) 2億円 三菱商事(株) 1億円
川崎重工業(株) 1億円 日本通運(株) 5千万円
住友重機械工業(株) 1億円 (株)日本海洋科学 5千万円
日本鋼管(株) 1億円 計 32億8千万円
(2002.1.4)
テクノスーパーライナー(TSL)小笠原航路計画が2004年の就航実現に向け、国交省は、船舶保有会社と造船会社間での建造契約締結を目指し、急ピッチの作業を進めている。
その前段階となる保有管理会社(ティー・エス・システムス)は昨年設立したが、同社の増資(30億円以上)が立ち後れていることから、政策投資銀行、造船会社など関係者による増資が決まり次第、年明け早々にも概要、詳細が明らかにされるようだ。
一方、おがさわら丸配置転換問題は、小笠原航路以外に利用することの可否、配置転換となると小笠原海運は国と都に負担分を返還しなければいけないのかといった問題が、計画を遂行する上で大きな課題となるが、「こうした問題について目途がついている。ネックとなる阻害要因は見あたらない。このままいけば計画通り2004年には就航できる」(国交省海事局))としている。
都議会で石原知事が「TSLを小笠原航路に就航させる」と表明し、運航会社の赤字負担分など調整を急いでいる。
(2001.11.16)
超高速船テクノスーパーライナー(TSL)実現へ向けスタート
【写真は完成予想図・国土交通省提供】
国土交通省及び東京都は、実用化に向けて進めている水面滑走の超高速船「テクノスーパーライナー(TSL)」を、 2004年(平成16年度)に小笠原村・父島ー東京(竹芝)間で就航させる方針を固め、実現に向けスタートした。国土交通省はすでに実用化に向けての方針は固めており、都と協議を重ねているが、石原都知事が19日の都議会定例会での所信表明の中で、「民生の安定を図る上でも、新しい足としてテクノスーパーライナー(TSL)の実現を図りたい」との考えを示したことから、地元小笠原村は「就航実現への確実性が増し、TSLの小笠原航路開設はこれで事実上決定した」との認識を持った。
国土交通省の安富正文海事局長は、TSLについて「谷野前局長が地固めをしてくれ実用化の段階にきたTSLだが、現在、国と都の間で最終的な話を進めて調整を行っている。この調整が済み次第、保有会社を立ち上げ、建造に着手することになる」と述べ、年内中に保有管理会社が設立されれば、「2004年7月には、就航するだろう」との考えを示した。
超高速船「テクノスーパーライナー(TSL)」の小笠原航路は、当初、8月までに「TSL運航保有管理会社」を立ち上げ、2003#年(平成15)年度に開設させるため、保有管理会社、運航事業者の決定を急いでいたが、国、都、事業会社間の調整が遅れていたが、今年末には、決定の運びとなるようだ。
現在、東京ー小笠原間は片道で25時間半もかかっているが、TSLが就航すると、運航時間が約16時間に短縮される。小笠原は交通の便さえ整えば、一大観光地となる可能性を秘め、経済効果も期待されている。国土交通省は今年中には、保有管理会社を正式発表する予定だ。
一方、小笠原航路は現在、小笠原海運一社で運航している「おがさわら丸」(6.679ォ、定員1031人)は片道25時間半かかり、運航は6日に一便だが、TSLは、14.500ォ程度で、乗客は約725名、貨物も約200ォ搭載する。計画では同航路を16時間で走り、週に約2便の運航をする。就航が実現すれば、現在小笠原への入島者数は2万余人から5万人と大幅に増えることが予想される。
(2001.8.29)
国土交通省が、2004年までに就航を目指し計画している、小笠原航路でのテクノスーパーライナー(TSL)の事業開始に向けた保有会社設立や赤字補填、制度上の問題など最終決定が大幅に遅れている。国土交通省は、事業化計画のスタートを6月中としていたが、TSL投入後、事業運営上赤字が出た場合の支援態勢について、国と東京都の間でこれまで数回の検討を重ねているが、双方にかなりの認識のずれがあることから最終決定までには時間がかかりそうだ。
東京都では、今後 国土交通省との間で支援体制の内容を詰めていく予定で、最終的に事業開始が決定されるのは8月以降になる見込みだ。都では、赤字補填する枠組み、赤字補填の国と東京都の負担割合など、国との間で支援体制の詳細を詰めておきたい考えだ。一方、国側は支援する旨の考えは明らかにしているものの、具体的な詳細については提示していないようだ。
事業計画の第一段階は,運航事業者の小笠原海運が船舶保有会社との間で、用船契約の仮申込を行う事だが、事業者側でも、実際に事業計画を進める上での前提として赤字の際の支援体制の確立を求めている。
一方、こうしたことから苛立ちを見せている地元の小笠原村では、8月22日、臨時議会特別委員会を召集。宮澤昭一村長や村議委員ら8名が9月初めに上京し、計画通り2004年までのTSL就航を実現するよう、
国土交通省や東京都に要望書を提出するなど陳情を行うことを決めた。
(2001.10.16)
「観光振興と民生安定のため TSL就航を実現」---- 石原都知事
国土交通省及び東京都は、実用化に向けて進めている水面滑走の超高速船「テクノスーパーライナー(TSL)」を、 2004年(平成16年度)に小笠原村・父島ー東京(竹芝)間で就航させる方針を固め、実現に向けスタートした。国土交通省はすでに実用化に向けての方針は固めており、都と協議を重ねているが、石原都知事が19日の都議会定例会での所信表明の中で、「民生の安定を図る上でも、新しい足としてテクノスーパーライナー(TSL)の実現を図りたい」との考えを示したことから、地元小笠原村は「就航実現への確実性が増し、TSLの小笠原航路開設はこれで事実上決定した」との認識を持った。
超高速船「テクノスーパーライナー(TSL)」の小笠原航路は、当初、8月までに「TSL運航保有管理会社」を立ち上げ、2003年(平成15)年度に開設させるため、保有管理会社、運航事業者の決定を急いでいたが、国、都、事業会社間の調整が遅れていたが、今年末には、決定の運びとなるようだ。
石原都知事が、9月19日、第3回都議会での所信表明で、TSL小笠原就航の実現への考えを示したことから、「TSL保有管理会社」も今年中には設立する目途が立ち、最終的に運航事業者の決定を急いでいる。
現在、東京ー小笠原間は片道で25時間半もかかっているが、TSLが就航すると、運航時間が約16時間に短縮される。小笠原は交通の便さえ整えば、一大観光地となる可能性を秘め、経済効果も期待されている。国土交通省は今年中には、保有管理会社を正式発表する予定だ。
一方、小笠原航路は現在、小笠原海運一社で運航している「おがさわら丸」(6、679ォ、定員1031人)は片道25時間半かかり、運航は6日に一便だが、TSLは、14、500ォ程度で、乗客は約700名、貨物も200ォ搭載する。
計画では同航路を16時間で走り、週に約2便の運航をする。就航が実現すれば、現在小笠原への入島者数は2万余人から5万人と大幅に増えることが予想される。
国土交通省の安富正文海事局長は、TSLについて「谷野前局長が地固めをしてくれ実用化の段階にきたTSLだが、現在、国と都の間で最終的な話を進めて調整を行っている。この調整が済み次第、保有会社を立ち上げ、建造に着手することになる」と述べ、年内中に保有管理会社が設立されれば、「2004年7月には、就航するだろう」との考えを示していた。
(2001.10.3)
TSLの小笠原航路実現へ大きく前進
東京 都議会第3回定例会が19日に開会し、石原知事が所信を表明した。知事はこの中で、危機意識の徹底などこれまでの都政運営の基本姿勢に加え、観光産業の育成に向けた取組の中で、「東京は、奥多摩と島しょに豊かな自然を抱えている」と述べ、特に、東洋のガラパゴスとも呼ばれている小笠原は、自然保護と観光がを上手く両立できれば、他にない魅力を発揮できるとした後で、「観光振興と島民の生活の安定を図るため、新しい足として、高速船テクノスーパーライナー(TSL)の就航を実現させたい」との、考えを明らかにした。
また、知事は小笠原空港開設の問題にふれ、「開設については、費用、環境面から検討し、さらに関係機関と協議を進めていきたい」と 前向きな姿勢をを示した。
一方、地元の小笠原村では、8月22日、臨時議会特別委員会を召集するなど、宮澤昭一村長や村議委員ら8名が9月上旬に上京し、計画通り2004年までのTSL就航を実現するよう、 国土交通省や東京都に要望書を提出するなど陳情を行っていた。
(2001.8.29)
国土交通省が、2004年までに就航を目指し計画している、小笠原航路でのテクノスーパーライナー(TSL)の事業開始に向けた保有会社設立や赤字補填、制度上の問題など最終決定が大幅に遅れている。国土交通省は、事業化計画のスタートを6月中としていたが、TSL投入後、事業運営上赤字が出た場合の支援態勢について、国と東京都の間でこれまで数回の検討を重ねているが、双方にかなりの認識のずれがあることから最終決定までには時間がかかりそうだ。
東京都では、今後 国土交通省との間で支援体制の内容を詰めていく予定で、最終的に事業開始が決定されるのは8月以降になる見込みだ。都では、赤字補填する枠組み、赤字補填の国と東京都の負担割合など、国との間で支援体制の詳細を詰めておきたい考えだ。一方、国側は支援する旨の考えは明らかにしているものの、具体的な詳細については提示していないようだ。
事業計画の第一段階は,運航事業者の小笠原海運が船舶保有会社との間で、用船契約の仮申込を行う事だが、事業者側でも、実際に事業計画を進める上での前提として赤字の際の支援体制の確立を求めている。
一方、こうしたことから苛立ちを見せている地元の小笠原村では、8月22日、臨時議会特別委員会を召集。宮澤昭一村長や村議委員ら8名が9月初めに上京し、計画通り2004年までのTSL就航を実現するよう、 国土交通省や東京都に要望書を提出するなど陳情を行うことを決めた。
(2001.6.17)