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NEW(2006年04月27日 )
国土交通省は26日、東京〜小笠原父島を結ぶため、国家プロジェクトとして115億円をかけて開発された超高速貨客船テクノスーパーライナー(TSL)の就航が断念されたことを受け、国土交通省は小笠原父島の間を飛行機で結ぶ方針を決めた。
同日開いた小笠原諸島振興開発審議会で、TSL就航を前提にした振興開発基本方針を変更し、「航空路について関係者間の円滑な合意形成を図る」との文言を盛り込むことで合意した。これにより飛行場の建設が必要となるが、具体的な開発計画は東京都が年内に作成する。
現段階では,父島・洲崎地区に小型機用滑走路を整備する案のほかに、水上飛行機の発着施設を造る、硫黄島の防衛庁滑走路を共用化し小型ジェット機を就航、硫黄島と父島をヘリコプターで結ぶ----。などの案がある。
◇ ◇
東京・小笠原間の約1000キロを17時間で運航できるとして計画された、超高速貨客船TSL(テクノスーパーライナー)は、国家プロジェクトとて115億円をかけて開発され、観光客の増大や島民の食料品の運搬時間の短縮につながると期待されていた。しかし、17年11月に、燃料の高騰などで年間20億円の赤字が出ると見込まれ、結局、就航が断念された。
2006年04月19日
東京都議会公明党の「小笠原諸島視察団」(中島義雄団長=都議)は18日午前、東京・小笠原村の父島で、東京―小笠原村間の航空路開設問題で視察活動を行った。
この日、視察団は、17日に行った村や村議会などの関係者との意見交換を踏まえ、村側が調査を進めている父島の州崎地区などを現地視察した。
視察した中島団長らは、小笠原村と東京を結ぶ航空路の開設は、村の医療や観光などの施策を拡充させるために極めて重要な施策だと強調。「村をはじめ、国、都が知恵を出し合って実現すべきだ」と語り、今後とも積極的に協議していくことが重要との認識を示した。
(公明新聞:06年4月19日付)
(05.12.08)
7日に開かれた都議会第4回定例会で石原慎太郎知事は、新藤義彦(自民)、中嶋義雄(公明)ら各会派による代表質問に答えたなかで、小笠原振興について触れ、超高速船「テクノスーパーライナー(TSL)」の就航断念に関して「自然環境との調和など課題は多いが、小笠原空路開設は極めて重要。今の地形を利用し、最低限の三種空港は緊急対策、観光のためにも必要だと思う」と、超高速船の就航断念に伴う小笠原の空港建設について、あらためて意欲を見せた。
TSL就航による観光客増を見込んで、施設整備に融資を受けた民宿などの経営悪化が懸念されることについて、高橋功総務局長は「村の利子補給などに20件の申請があった。実情把握に努めており、村と連携し対応する」と述べ、振興策の必要を認めた。
(2005年 11月05日 )
都が、東京〜小笠原航路で就航するはずだったテクノスーパーライナー(TSL)計画を断念したことに伴い、小笠原諸島への新空港建設計画が再び動き出そうとしている。13年度に父島時雨山(しぐれやま)での新空港建設計画が中止された後も、都総務局では航空路案の検討を継続、聟島(むこじま)、父島洲崎地区などを建設地に想定し、新空港整備の可能性を探っている。ただ、多額の建設費や自然環境への影響など課題は多い。総務局でも18年度予算案への関連経費計上はないとしており、当面は水面下での検討となりそうだ。
東京〜父島間を結ぶ予定だったTSL計画は、毎年20億円の赤字が見込まれ、都は去る第3回都議会定例会の中で公的支援の断念を正式表明していた。このことから、13年11月に一度は白紙撤回されていた小笠原諸島への新空港建設が再浮上。石原慎太郎都知事も「大島や八丈島程度の空港は整備し得る」と発言するなど、建設に前向きな姿勢を見せている。
総務局では、父島時雨山地区での建設計画が中止した後も、多様な交通アクセスの確保、産業の振興、東京の魅力向上の観点から、航空路案の検討を進めていた経緯もある。調査では空港建設に関する費用・環境・技術面などを検討。日本空港コンサルタンツ(文京区)への委託で実施した。
当時の調査では、洲崎と聟島の2地区を空港の建設候補地と想定。聟島活用案(滑走路端安全区域旧基準1600m案)では、建設投資額274億円(初期投資額54億8200万円)、洲崎地区活用案では建設投資額を189億9800万円(滑走路端安全区域なし1000m案)としていた。
また、このほかにも水上航空機案と硫黄島活用案を想定。それぞれ、16億,200万円、15億1500万円の建設投資を見込んでいた。
石原慎太郎都知事は、6月の定例記者会見で、「1000m程度の滑走路を持つ第三種空港の必要性を述べるとともに、滑走路の整備に必要な陸地の不足についても指摘。「二見港(父島)じゃない反対側の方に、羽田でやろうと思った桟橋式の滑走路を延ばす以外にないと思うが、これから先、合わせて考える必要がある」と話していた。
(2005年 11月01日 )
石原慎太郎知事は28日の定例会見で、小笠原諸島父島(小笠原村)の空港構想に関して「全体の環境を守るために(滑走路建設のため)山を削るなら、国と都が補助して島内の乗用車を全部、電気自動車にして、そこにエネルギーを供給する基地を造るのも一つの案だ」との見解を示した。
小笠原の空港構想は、98年に時雨山周辺を建設地と決めたものの、環境や事業費の問題から01年に撤回された。その後、現行の定期船で25時間半かかる航路を17時間に短縮する超高速船「テクノスーパーライナー(TSL)」の導入が進められたが、都は今月18日、燃料となる軽油価格の高騰などを理由に「支援の限度を超える赤字が出る」として導入を困難視する見解を表明。石原知事も「代替案を考えなくちゃいけない」と再び空港建設に言及していた。
石原知事は会見で「費用対効果で、環境への影響のバランスを考えるシミュレーションをやっていこうと思う。環境省もそういう哲学を持ってもらいたい」と語った。
(2005年 10月20日 )
今秋11月に小笠原航路(東京―父島)を就航する予定だった夢の「超高速旅客船テクノスーパーライナー(TSL)」の就航が困難となった問題で、東京都の石原慎太郎知事は19日、代替案に触れ「(就航を)あきらめざるを得ないならば、環境を守り、環境省とも話をしながら、大島とか八丈島のような程度の第3種空港はつくりうる」と述べた。その上で、「それをしないと、地元の人も不安で、観光客も不便。こうなってみると、もう一回、(空港建設案)をひねって考えねばならない」と語った。
小笠原の航空路開設について東京都は、95年に兄島を、98年に父島の時雨山周辺を空港建設地として決定したものの、環境や事業費の問題などから2001年に建設を断念し、工法や候補地の検討を続けている。
(2005年 6月15日 )
石原慎太郎都知事は10日の定例会見で、「TSLがつまずいた時のことも考えないといけない」として、小笠原諸島に小規模の空港建設を検討する必要性を示した。これは、テクノスーパーライナー(TSL)(正式名・スーパーライナーOGASAWARA)の運航会社(小笠原海運)が同船の所有会社(テクノ・シー・ウェイズ)にリース契約解除を通知したことに関連し、改めて考えを明らかにしたもの。
さらに会見の中で、石原知事は「(小笠原では)ジェット機が飛ぶような飛行場は無理だが、民間の二十人近い人が離着陸できる緊急用の飛行場も考えなくてはならない。山をほんの一部削るだけで済むような案もあると思う」と述べた。
このニュースは、瞬く間に小笠原村全域に広がった。複雑な思いで聞いたある村民は「TSLは、進水も終わり計画も順調に進み11月には就航すると聞いていた。しかし、最近の報道を聞くと、小笠原村の「村民だより」などで知る話と全く違うことに驚いている」(主婦・父島)また、「問題はこの島は情報が全くないことだ。(村民が)もっと関心を持たないといけないと思う。いつまでも『あなた任せ』ではいけない。(男性・商業者)と話している。
小笠原空港の建設をめぐっては、1991年に国の第六次空港整備五カ年計画で(兄島)に予定事業として採択。しかし、環境省(当時・環境庁)は空港建設地の「兄島」は、希少な生物の生息地であり、「空港建設は容認できない」と見解をまとめ、都へ文書で申し入れた。これを受けて都は98年、小笠原空港の建設場所を小笠原諸島・父島南東部の時雨山周辺とする1.500メートルの滑走路建設を正式決定した。しかし、事業費が1.000億以上かかることや自然環境への影響などから、2001年に石原都知事が計画を白紙撤回した経緯がる。
◎(2002.11.13)遥かな南洋の島々
島民が住む父島列島と母島列島をはじめ、硫黄島や日本最南端に位置する沖ノ鳥島、最東端の南鳥島など30余の島々からなる小笠原諸島。太平洋に浮かぶその領域は、わが国の経済水域の実に3分の1を占める。戦時中には島民7000人が強制疎開させられ、硫黄島の激戦では2万人が戦死。23年間の占領時代を経て、沖縄返還の4年前(1968年)に、東京都小笠原村として日本に復帰した。だが、同じ外海離島の沖縄と比べ、小笠原の歴史や島民の暮らしが語られる機会は極めて少ない。本土から1000キロを隔てた小笠原の現状と課題を探る。
◇ ◇
小笠原への交通手段は、平均6日に一便就航の「おがさわら丸」による船便のみ。東京・品川の竹芝桟橋から父島二見港までを25時間30分で結ぶ。東京から地球の反対側のブラジル・サンパウロまでのフライト時間(ニューヨークでの乗り換え時間含む)が約22時間半だから、小笠原は世界のどこよりも遠い“国内”となる。
返還以来の島民の悲願である航空路実現は、91年に運輸省(当時)の第6次空港整備5カ年計画で予定事業に採択。東京都は、中型旅客機が発着できる1800メートル級の空港を、父島の北側にある無人島兄島に建設する計画を決めた。だが、環境庁(同)の反対で計画は立ち消え、予定地白紙のまま第7時空港整備に継続事業として採択される。
98年、都はその後の調査・検討を踏まえ、父島の時雨山に建設を決定。予定通り進めば今年着工のはずだった。ところが昨年11月、都は再び建設を白紙撤回、「新たな航空路案を検討する」と発表した。自然環境へ与える影響の大きさと事業費の増加がその理由だ。
「強制疎開から本土の生活を余儀なくされ、返還後、島の復興に携わった先人たちは、空港建設のつち音さえ聞かずにこの世を去った。(中略)返還から空港建設を村民に約束し、33年間も調査検討を行った結論が、空港建設予定地の白紙撤回では、あまりにも島民を軽んじている。東京都はいままで何を検討してきたのか」(宮澤昭一村長の声明文、01年11月14日)。2度にわたる建設計画のとん挫が島民に与えた落胆は大きかった。
今年9月、公明党東京本部(橋本辰二郎代表=都議は、山口那津男・都本部代行(参院議員)と藤井一・同幹事(都議)らによる調査団を小笠原村に派遣。調査団は、空港建設検討地の視察や、へき地医療、住宅事情など島民生活を精力的に調査・視察。村民代表や村議との懇談や島しょの時局講演会を開催するなどの日程を精力的にこなした。
漁協や農協、商工会、観光協会、老人団体や福祉団体、教育関係者らとの懇談の席では、交通アクセスをめぐる「飛行場建設」と「医療・福祉」に焦点が集まった。出席したほぼ全員が、航空路は緊急医療はもちろん、産業振興や村の自立発展に不可欠だと語った。「これまで飛行場実現一本で頑張ってきたが(建設撤回)で島内の事業計画もすべて無に帰した」と参加者の一人は話した。
また、各団体代表からも「自然と共生した空港実現は不可欠」「子どもたちの視野を広げるためにも交通アクセス問題が課題」「最期をここで迎えたいが、最終的には都内の病院に搬送されてしまう」「親の死に目に会えない島といわれている」と空港実現を切望する声が相次いだ。
[公明新聞・連載]
(2001.11.13) 小笠原空港の現計画
東京都は11月13日、時雨山周辺域における小笠原空港建設計画を撤回し、新たな航空路案を検討することを公式に発表した。
平成10年5月19日に都は、小笠原空港の建設地を時雨山周辺域に決定し、調査・検討を行ってきたが、自然環境への影響や事業費の増加などから、建設は困難であると判断し、現計画を撤回することとなった。
時雨山周辺域に係る自然環境保全方策等について、助言・指導を得るため、学識経験者からなる「小笠原自然環境保全対策検討委員会」による環境現況調査の結果、環境省や東京都のレッドデータブックに記載されているムニンツツジなど絶滅危惧種44種の貴重な植物や、オガサワラノスリなど国の天然記念物に指定されている動物22種が確認されたとしている。さらにこの結果を踏まえて同委員会からは「影響を被る貴重種が多数あり、保全方策を確実に講じたとしても影響軽減効果には限界がある」との意見書が提出されたことが、今回の建設計画撤回の第一要因としている。
【98.7 時雨山を視察する都知事】
さらに第二の要因として、環境保全対策を含めた事業の見直しにより、総事業費が1,100億円を超えることになり、事業期間も長期間を要し、完成が早くても平成30年度以降となってしまうことを挙げている。
一方、新たな航空路を費用、環境、技術面から、検討するとして、既存施設の利用として硫黄島の滑走路を含め、技術開発の動向等も踏まえ検討する。さらに東京都は、東京・小笠原間に、平成16年、超高速船(TSL)の就航を予定しており、所要時間が現在の定期船の25時間半から、約16時間程度に短縮されるとしている。
2001.12.13
小笠原新聞 ー 小笠原新聞の斎藤 といいますが、空港問題について伺います。兄島のときと 違って、今度の時雨山は、基本的にはそこで建てる(建設)という前提で、ただ可能な限り 自然保護に配慮するということで調査をしたというふうに、地元では理解しておった んですけども、三十数年の取り組みが白紙に撤回されてしまったということで、東京 都としての責任をどう考えてらっしゃるか。それから、今、現実に、島民の多くが、可 能性がなくなったということで、かなり希望を見失ってるようなんですね。都知事とし て島民にどう声をかけていただけるか。この2点を伺います。
石原都知事 ー都の責任というよりも、非常に安易に、地形的には兄島が一番コストがかからな いでできるような地形ですよ。それでぱっと決めたら環境庁が待ったかけて、調査し たら環境問題で駄目だと言う。それじゃあ、父島の時雨山なんか、これはべらぼう な金がかかるのは地形を見ても分かるんだけど、そこへ、要望もあるから、飛行場 そこにしましょうと言って移す。そうすると、また環境庁が出てきて、ちょっと待て待 て。こういう、大事な飛行場を作るというプランの段階からの行政がライン化し過ぎ ていて、複合的にそれを束ねるしっかりした政治家がいないから、こういうふうに時 間がかかり、紆余曲折があって、結局最後に島民に迷惑をかけるんだけども。しか し、いずれにしろ、あそこにいかなる種類の飛行場を作ろうと思ったって、国の事業 ですからね。国民の税金を使うわけだ。そのコストパフォーマンスを考えれば、誰が 考えたって、時雨山に飛行場なんかできっこないんだよ、そんなものは。採算合い っこないんだよ。だから私は最初から、こんな馬鹿な計画をって言ってた。
知事に就任して、当時の議長さんたちと一緒に初めて現場を見るほとんどの人 が、一人を除いて、あそこ出身の、選挙区のカワシマ君は別ですけども、初めて行く 人なんて、こっから先ですって言ったら、みんな嘆息してましたよ。こっから山までか って言うから、あの山のもう一つ向こうの谷も埋めるんですって言ったら、そら、政 治家だって分かりますからね。そういうリアリティーのない案を作って、一時でも島民 の希求をつるということそのものが、とっても無責任だと思う。
島民の皆さんたちは、もっともっと観光客に来てほしいでしょう。それから、何かの 緊急のときに、やっぱり不安がある。しかし、その際は、今まで自衛隊の協力を受 けて、そういうケースだって全部処置してきたわけですから。その手だてはちゃんと 講じてありますんで。あとは、もっと多くの人たちが観光を目的に小笠原を訪れてほ しい。それは実によく分かります。そのためには、例えば、ほったらかしにしてきた あの南島が、取り返しがつかなく荒廃してしまったような、そういう環境破壊ってもの を防ぐ措置を、規制も含めて、きちっと講じなくちゃいけないと思いますよ。しかし、 いずれにしろ今、テクノスーパーライナーってのはもう試験船ができて、既に就航し て走っている。そして、それの数倍の、昔の飛行機よりも早いぐらい、とにかく今ま で24時間以上かかった所を10時間短縮して15時間で行くアクセスってものが確保さ れるならば、私はそれで十分だと思います。十分だと思います。島民のニーズもそ れでかなうと思います。
ただ、イマージェンシーの場合にはきちっと国家が責任を持ってそれに対応すると いうことで、私は、満足も納得もしていただけると思いますが、これから先、どういう 展開になるか分からないけどね。飛行場はどうしてもという、そういうニーズが、コス トも含めて、現実的なものとなってきたら、またそれは、考えることは決して吝かじゃ ないが、現況の小笠原の観光、それから産業の振興っていうことで、それを満たす ためのアクセスってのは、新しい日本の最先端の技術を駆使した、非常に速度の 速い大型の汽船が就航することで、十分まかなえると、私は思っております。 @@@@
小笠原新聞 ーそうすると航空路は、何よりもコストの問題だということですか。
石原都知事 ーそうですね。
小笠原新聞 ー自然保護云々以前に。
石原都知事 ーいやいや、自然保護も含めてですよ。今だって自然破壊されてるじゃない。そのた めに何もしてこなかったじゃない、環境庁だって。島だってしてこなかったじゃない の。大変だ大変だって声は聞こえるけど、私行ってみて、暗然としましたな。
小笠原新聞 ー無責任っていうのは分かるんですが、現実に、前の青島知事も現地にいらして、 それで決めたことだったわけですけど・・・
石原都知事 ー 駄目なものは駄目なんだよ。誰が決めたってね。
小笠原新聞 ーただ、知事云々というよりは、東京都として決定されたことだったと理解してるんで すが。
石原都知事ー 東京都が決定したって、国が動かなきゃ駄目なことで。東京都がいくら兄島に作る って言ったって、国がウンと言わなきゃできないことですからね。行政ってそういうも のです。
小笠原新聞ー国が駄目だという・・・
石原都知事 ー 国は、兄島も駄目だと言い、父島も駄目だと言ったわけですよ。その限りで、セカ ンドベストを考えざるを得ないでしょう。
小笠原新聞ーそれが知事の姿勢・・・
石原都知事 ー 私はテクノスーパーライナーってのは、恰好なものだと思います。そういう船が誕 生し切れないんだったら、これはまた別の問題だけど。
(3001.11.13)
小笠原空港建設案を審議していた東京都総務局と港湾局の「多摩島しょ振興推進本部会議」は、時雨山空港建設計画の撤回の理由として、絶滅危惧種の植物や天然記念物指定の動物などが生息する自然環境への影響と、空港建設総事業費が当初の2倍近い千百億円を超す見通しとなったことを挙げている。
都は計画撤回にあたり、その他の事項として、平成16年度に超高速船(テクノスーパーライナー)(TSL)の就航が予定され、所要時間が現在の約25時間30分(年間59往復)から、約16時間程度(年間92往復)に短縮されると空港の代替案ともいえる考え方を示した。
この東京都の決定に対して、宮澤昭一小笠原村長は「小笠原村返還までの歴史的空白はあるが、常に空路の確保を悲願として、強く国、東京都に要望してきた」と、これまで全島一丸となって航空路の実現を図ってきたことを声明で強調。
さらに、東京都が中心になって行った各種調査の結果から、ジェット旅客機の発着が可能な都営第3種空港の建設が計画され、平成7年には空港建設地まで決定されたと指摘。さらにこれまでも東京都主導の空港計画だったと述べ、その東京都が村に相談もなく撤回した無念を滲ませた。
その上で、「11月13日の時雨山白紙撤回という決定は、返還から空港建設を村民に約束し、33年もの間、調査・検討を行いながら結論が白紙撤回では、村民を軽んじたものだ」と抗議している。
また、空路に関して硫黄島経由案や水上艇案など東京都自らが検討し、否定したことを再度提案することに不信を募らせている。その他で記載された超高速船(TSL)の就航については、「海路の改善が行われるが、毎日の足となる空路は、TSLによって代替されるものではない」とし、東京都の責任において実現可能な空港案を提示するよう強く訴えた。小笠原村や村議会は、今回の都の決定に対して抗議書を提出した。
しかし、これまで小笠原空港建設を推進してくれた国の関係者は、「小笠原空港計画の撤回は石原知事の強い意向と聞いているので、これまで以上の取り組みが必要」と話す。
関係者が指摘するように石原知事は、昨年10月、小笠原を視察中、「(時雨山案は)役所のメンツで決めた」、今年5月の定例記者会見では「貴重な動植物がいなくても、あんなところに空港を作るのは無理」と、発言のたびに空港計画案の白紙化に向けエスカレート。
そして9月23日、小笠原自然環境保全対策検討委員会が「現空港計画は極めて困難」と提出した意見書を重く受け止めたとして、10月26日の記者会見上、石原知事は「高速船が就航すればそれで十分だ」と事実上空港計画の白紙を宣言した。その結果、11月13日の公式撤回となった。
小笠原空港については、平成十年五月十九日に時雨山周辺域を建設地と決定し、調査・検討を行ってきましたが、このたび左記のとおり「現計画を撤回し、新たな航空路案を検討する」こととしました。
【 記 】
一 現計画の撤回
自然環境への影響や事業費の増加などから時雨山周辺域での空港建設は困難であると判断し、現計画を撤回する。
(1) 環境現況調査の結果、環境省や東京都のレッドデータブックに記載されているムニンツツジなど絶滅危惧種等四十四種の貴重な植物や、オガサワラノスリなど国の天然記念物に指定されている動物二十二種等が確認された。
この結果を踏まえ、学識経験者等により構成される小笠原自然環境保全対策検討委員会からは「影響を被る貴重種が多数あり、保全方策を確実に講じたとしても影響軽減効果には限界がある」旨の意見書が提出された。
(2) 環境保全方策を含めた事業の見直しにより、総事業費が一千百億円を超えること、事業期間についても長期間を要し、完成が早くても平成三十年度以降となる見込みとなった。
二 新たな航空路案の検討費用・環境・技術面から、新たな航空路案の検討を行う。
(3)既存施設(硫黄島の滑走路等)の利用などを含め検討する。
(4)技術開発の動向なども踏まえ、幅広く検討する。
三 その他
現在小笠原諸島への交通アクセスとしては、定期航路のおがさわら丸で約二十五時間三十分(年間五十九往復)を要する状況である。なお、平成十六年度に超高速船(テクノスーパーライナー)の就航が予定されており、所要時間が約十六時間程度(年間九十二往復)に短縮される。
石原都知事は、10月26日、小笠原空港建設計画について、都の検討委員会が自然環境への影響を懸念して「極めて困難」とする意見書を提出されたことについて、小笠原空港建設を撤回し白紙化することを明言した。
26日行われた記者会見で、石原都知事は「高速船・テクノスーパーライナー(TSL)が就航すればそれで十分だ」と述べ、小笠原諸島の別の場所に空港を建設する可能性についても「もともとリアリティーのない計画。採算が合う空港ができるかどうか。できっこない」として、小笠原に空港建設をすることについて、改めて否定する考えを示した。
(2001.10.24)
東京都検討委員会が「反対」の意見書
小笠原空港建設計画で、建設が自然環境に与える影響を検討してきた東京都の小笠原自然環境保全対策検討委員会(奥富清座長・東京農大名誉教授)は、9月23日、計画されている時雨山(しぐれやま)周辺域での空港建設を進める場合には「極めて困難」として東京都に意見書を提出した。都港湾局は「厳しい意見と受け止めている。意見は最大限尊重したい」としており、建設計画は事実上白紙に戻ることになった。
意見書では、「環境保全策を確実に措置していくことが最低条件」としたうえで、「世界でも小笠原にしか生息しないムニンツツジの唯一の野生株があるほか、国の天然記念物であるオガサワラノスリなどの鳥類も生息しており、希少動植物の保全は「極めて困難」と結論ずけている。
同委員会は、奥富清氏や小野幹雄氏、清水善和氏など23人の学識経験者で構成。貴重動・植物の地域の分布や水環境など空港建設によって与える環境評価を助言する形で検討してきた。
また、石原都知事は空港建設に否定的な考えを示すと同時に、「テクノスーパーライナー(TSL)」の小笠原航路導入に意欲的な姿勢を示している。
一方、宮澤昭一村長は、「(公表された意見書に対して)空港予定地については、これまで貴重な動植物の保全策には限界があるなどの厳しい意見も戴いているが、都にはこの意見も念頭に入れ、環境影響評価や保全策の検討を予定通り進めてほしい」とし、「村民の長年の“悲願”である空港建設を1日も早く実現に向け努力してほしい」との考えを述べた。
(2001.8.31)
小笠原空港建設計画で、建設が自然環境に与える影響を検討してきた、東京都の小笠原自然環境保全対策検討委員会(奥富清座長・東京農大名誉教授)は、計画されている時雨山(しぐれやま)周辺域での空港建設を進める場合には「極めて困難」とした素案をまとめ、9月にも、東京都に最終答申をする。都は「意見は最大限尊重したい」としており、建設計画を白紙撤回する方針だ。
小笠原空港建設予定地となっている「時雨山周辺域」は、95年に第六次空整で予定事業として「兄島」に閣議決定されたが、環境庁(当時)からの反対で撤回され、改めて98年に母島・父島など9ヶ所の候補地から最も環境への影響が少ないとして決定された。
しかし、時雨山周辺域にはこの地域にしか生息していない固有の動植物が多く、都が今年5月に公表した時雨山周辺域の調査では、オガサワラオオコウモリ、など国の天然記念物が22種、国や東京都のレットデータブックに載る希少植物が44種確認されている。
素案では、「(建設予定地の時雨山周辺域は)極めて優れた自然環境であり、世界でも小笠原にしか生息しないムニンツツジの唯一の野生株があるほか、国の天然記念物であるオガサワラノスリなどの鳥類も生息しており、飛行機のエンジンに巻き込まれる恐れもある--などの問題がある」とした上で、「このような地域に大規模開発は国内でも例がない」としている。
また、石原都知事は、昨年、小笠原空港建設予定地の時雨山を視察した際、小笠原空港建設のかかる総工費は1千5百億円ともいわれ、「リアリティーのない計画。こんな所にできっこない」と否定的な考えを示していた。
国土交通省は8月23日、2002年度予算の概算要求で小笠原(東京都)など四空港の新設及び新千歳空港の滑走路延長など地方空港の新規事業を見送る方針を固めた。公共事業費が抑制される中、成田や羽田、関西、中部国際空港などの大都市拠点空港の整備を優先させるためで、これまで未着工となっている全国11カ所の地方空港で滑走路延長や新設を見送る。
見送りの対象となったのは、02年度が最終年度となる第七次空港整備七カ年計画(七次空整)に盛り込まれながら未着手だった新千歳、秋田、山形、福島、新潟、佐渡(新潟県)、福井の七空港の滑走路延長と、びわこ(滋賀県)、播磨(兵庫県)、小笠原(東京都)、新石垣(沖縄県)の四空港の新設。
これによって、同省が要求する来年度の地方空港整備費は約七百億円と本年度に比べ10%減になる見込みだ。
(2001.6.12)
小笠原自然環境研究会(会長・加崎英男)は、5月25日、東京都が小笠原空港建設予定地の時雨山周辺域の環境アセスメント中間報告として「小笠原空港環境現況調査関結果」が公表されたことについて、石原慎太郎都知事宛に意見書を提出したことが、このほどが分かった。
意見書は、同研究会が、これまで小笠原の環境容量や生物固有性からして大規模な空港建設には無理があるとの観点から、小笠原空港問題に関して批判的な主張をしてきたことを裏付けているものと思われる。この調査結果を素直に受け止めれば、大規模な自然破壊が避けられない空港建設は直ちに断念し、小笠原によりふさわしい交通手段の実現の道筋が見えるとして、東京都の懸命な判断を期待しているとしている。
また、同意見書には、東京都の調査結果のうち時雨山周辺域においてレッドデーターブックの絶滅危惧種に指定されている貴重な動・植物が多く生息している。など、自然保護上特に重要と思われる13項目を指摘。その上で、大規模な土地改変を伴う空港建設は打ち切るべきとし、自然への負荷の少ない代替え案(超高速船、水陸両用機、硫黄島経由のヘリコプター輸送)を真剣に検討するよう求めている。
(2001.5.19)
小笠原空港
石原東京都知事は、18日に行われた定例記者会見で、都が実施した環境現況調査で公表された、小笠原空港建設予定地となっている「時雨山周辺域」で、絶滅の恐れのある希少動植物が多数確認された問題で、「貴重な動植物がいなくても、あんなところ(時雨山)に空港を作るのは無理」と述べ、「動植物を別な場所に移すために予算を使うつもりはない」と,改めて計画への反対の考えを明らかにした。
その上で、「テクノスパーライナー(TSL)が就航すれば、15時間で行ける。飛行機と船のどちらを取るかという問題も出てくる」と述べ、調査結果の再検討をする意向を示したが、事実上小笠原空港建設は難しくなった。
(2001.5.15)
オガサワラオオコウモリ、ムニンツツジ・・・
東京都は十四日、小笠原空港の建設候補地として検討を進める小笠原村の父島・時 雨山周辺の環境現況調査結果を公表した。国の天然記念物のオガサワラオオコウモリなど、数多くの貴重な動植物が生息していることが確認された。
調査は、都が九八年五月に時雨山周辺を同空港の建設予定地として決定したことを 受けて実施した。その結果、陸上植物では国や都のレッドデータブックに記載されている絶滅危惧(きぐ)種のムニンツツジなど四十四種の希少種が確認された。また、陸上動物ではオガサワラノスリやオガサワラオオコウモリなど国の天然記念物二十二種の生息が確認された。
都は今後、学識経験者らの意見をもとに空港建設による自然環境への影響を予測評価するとともに、保全策についてもまとめる。
同空港をめぐっては、石原知事が昨年十月に父島を訪れた際にも、一千億円を超えると見込まれる建設費用や自然破壊などの問題から、時雨山周辺での建設に否定的な考えを示している。
石原慎太郎都知事は、10日、小笠原父島を訪れ小笠原空港建設予定地の「時雨山」について、11日、「役所の面子で決めたようなところがある。リアリティーのないプログラム」と批判し、候補地について「(海上視察でダイビングし海中も)具体的に見たし、今日も明日も見るけれど、場所は言えない。いう必要もない」と延べ、建設予定地を白紙の戻し代替え案を探る考えを示唆した。
小笠原空港建設計画は、平成7年、建設候補地だった「兄島」が環境庁などの反対で白紙撤回され、その後、建設予定地を時雨山、三日月山、洲崎、高山など9ヶ所に絞り、その中から、平成10年5月に「時雨山周辺域」に決定し、現在、都が再調査を進めている。
石原都知事はまた、「小笠原をどう開発するかというグランドデザインが無いのに、 飛行場を作くたって無駄な投資になる。小笠原島民が(飛行場を)熱望しているだけであって、空港ができたら小笠原をどう紹介するのかといったアイディアや具体性のある計画が東京都も小笠原村にもない」と、計画そのものについても疑問を示した。
10月10日から13日まで小笠原を視察した石原都知事は、帰京後の、20日、本土で行われた定例記者会見で小笠原の「時雨山案」について「谷を削って埋めなければできないような、あんな所に飛行場はできないし、700億円でできっこない」として、改めて時雨山の建設計画にたいして否定的な考えを示した。
更に石原都知事は、二つの代替え案があることも明かし「それお明らかにする時期がきたら発表する」とした上で、「空港が必要になって、各省庁間の壁が問題になった時、それを政治家がどう束ねるかが問題」との見解も明らかにした。
また、小笠原村から知事宛に提出された「抗議文」について「一生懸命に推進しているのは土建屋さん。私も知っているが村長も土建屋さんだったからな。島民のニーズを代表しているかというと、そんなこともない」と述べた。
MXテレビで流れたこの会見の模様は、瞬く間に島内に広がり、賛否両論、波紋を巻き起こしていた。
南島の立ち入り規制へ 来年春からにも実施
都知事・何度も行きました。戦争というのはあらためて大変なもんだと思いましたね。もうそれで戦後50年経ったんで、手間ひまかけて、遺骨収集もひとつ。僕は靖国神社の分社とかなんかを、要するに公共でやると問題が起こるんだろうから、有志の人達で、象徴的な形でお祭りしたほうが良いと思いますけどね。まだ1万柱を超す御霊が遺骨としてある訳でしょ。私は、そういう感じはしましたな。
◇=1年ぶりに父島に訪れての感想をお願いします。
都知事・やあもう、南島も惨憺たるものだね。あれはね、尾瀬も一時、ひどい目にあってね、思い切ってやったけどね。何か考えるとか言ったけどもうだめだった。来年(春)からにも制限しないと。1年か2年か、3年かの立ち入り検査しないとね。もう、取り返しつかなくなりますよ。で、その後どういう風にするかね。とにかく1年や2年やっぱり、大事な観光資源をある程度残す為にも、立ち入り禁止にして保存しないとね。もう取り返しのつかないギリギリのところまできてるな。僕はもう20年も前来て、そのときからこう、何度か来てますけど、その変わりようったらひどいね。
◇=具体的にはどんなところがひどい?
都知事・具体的に、来年からどうするかって事を考えろと。まず、やっぱり、来年のシーズン春先からもう入島禁止にしてね、あと、専門家がどういう措置をするか、考えなくちゃいけないと思うけど。そういうドラスティックなことしなかったら、あっと言う間にだめになりますよ。
君ら知らないだろうけど、僕はずーと、何度も何度も行って見てきてるから。そりゃ、最初にあそこに行った時は感動したね、あそこに立て札さえなかったからね。眠っている時に連れて来られたら、違う惑星に来たね。違う宇宙かと思うくらい非常に神秘なほど、美しいところでしたよ。今はもうダメ。踏みしだかれて、赤土がほじくりかえってね、しかもその非常に美しい海岸のドームが残念なことに、半分欠けて落っこちゃたりして。これはもう仕方ないけども、しかし、人為的に破壊された自然ってのはやっぱりしなくちゃいけない。そういう事できますからね。こうした問題はあちこち起こってくるんでしょうな。
エベレストの山頂に死体も含めてゴミが捨てっぱなしになっていたらね。何トンっていうゴミ回収してきたっていうくらい地球というのは…。人間好奇心があるのは結構だけども、美しいものを眺めるのは楽しい事だけども、あの体たらくはダメですね。で、新しいパターン作って思いきった事をやらなくてはダメだね。
◇=今回の視察の目的(海上と三日月山)というのが、空港予定地の視察っていうのが入っているが、具体的にはどういった所を…。
都知事・そりゃ、具体的に見ますし、明日も見ますし、今日ももう色々見ましたけれども、そりゃまだ言えない。
◇=今日もご覧になったんですか?
都知事・はい。午前中は海の上におりました。
◇=それは、南島?
都知事・南島も行きましたけれども、それはまあ南島心配だから行って来たんでね。あと、明日また色々見ますけども。
◇=まだ、特定のここと言うには検討の中には一箇所候補があがるというには…。
都知事・いやまあ、そりゃ言わない。言う必要がないし。
◇=島民としましては、時雨山という事で一応期待している時期あったんですけれども、もう一つ選択肢が出てくると考えてよろしいんでしょうか?
都知事・まあ、時雨山つうのは、役所の面子で決めたみたいなとこあってね、国の役所の一番ダメなとこですよ。ああいう所は。要するに、空線の中に沿ってどうのこうの、リアリティがない。要するにプログラム組だってね。ひとを失望させるだけだから。あんなのはノモンハンの戦争と同じだよ。私に言わせれば。
◇=島民は、早くできてほしいというのが…。
都知事・そうです。早く、安くできればいいんでしょ。その方法はあるはずですからね。はい考えましょう。
◇=エア横浜の飛行艇については…。
都都知事・まあまあ、そんなことは具体的にあなたはだまってるの。あなたは素人なんだから。私達行政の専門家が色々案を考えている。あなたに何言われてそれどうなるもんじゃないから。まあそれが言質になってね、一人歩きするとね、周りが迷惑しますから。都庁にだって知恵があるんでね。国にない知恵だって、たくさんありますからね、東京都には。だからね、それはそれなりに持ち寄ってだね、考えますよ。だけどだなー、いつ頃できるかわかんないけども、17、8ノットできる快速のスーパーテクノライナーみたいなのが仮にできたとすればだね、その方がジェット機1台で運んでくるよりもたくさんの人が一時に、がさっと来るようになるかもしれない。
まあ、そこら辺の兼ね合いみたいのがだね、技術の進歩っていうのが、あっという間にこう新しい製品みたいの作りますからね。要するにコストパフォーマンスの問題なんですよ。それからやっぱりね、東京都の責任ではあるんだけれど、小笠原にもね、仮にジェットが飛んでくる、スーパーテクノライナーがいっぺんに千人単位の人を運んでくる時、この小笠原をどういう風に開発するか、どうするというアイディアないんだよ。
東京と同じざまなんだよ。東京の都市計画っていうのがあるんだしね、まあそこでダメだから今の東京になっちゃたんだから、せっかくの小笠原なんだからね、いろんな専門家の知恵借りてね、やっぱりかけがえのない、リゾートっていうのかな、うーん、まあそういうの僕はできると思いますよ。
それをどういう風にこう作っていくか、いろんな島がある訳だしそこにいろんなコモンデション作ってることだろうけどね。
何か、全て扇浦にマリーナ造る、マリーナ作るって、そんなのは素人が言う事でね。ヨットでここ来れる人が何人いるかっていったらね、私ぐらいのもんだ。(笑)このごろの若い連中ときたら、夜船に乗るの嫌がって来ないんだから。私はこの小笠原間のヨットレース作ったんですよ。その沖縄からのもね。もうこの頃、エントリーする船がない。みんな技術が無いし、怖くてめんどくさいから。そういう事もありますからね。
やぱり、グランドデザインがないのに、飛行場作れとか、何作れ、かに作れとかいたってダメなのよ。仮にそれが出来たときどういう風にしてそれを利用して、どういいう風に計画をするか、どういう開発をするかってのを考えないでね。なんでも汽車引っぱってくりゃ良い、飛行機飛んでくりゃ良いってもんじゃないんでね。で、気が付いたらもうズタズタになってる。
見てご覧なさい、この小笠原の要するに二見湾の…、帰ってくる(返還)まではずーと芝があって…。あなた方の責任なんだよ小笠原島民の。それでね、帰えってきたら、これは俺の土地だのあーだら、ジグザグに線引きしてね、昔と同じ町になっちゃた。パチンコ屋がありだの寿司屋がありだの、ラーメン屋がありだのね。良いよ、もうちょっとましな町を作ったらどうなんだい…。高層ビルある訳じゃないんだから。
そういう事がね、日本人ってのは、そうした長期の計画も立たないからね、だからその飛行場作るんだったら、その後をどうするかというアイディアを小笠原村からも出した方が良いし、玄人の知恵も借りてね、やらないと非常に無駄な投資になりますよ。
◇=時雨山なんですがこれやっぱり、これまでの経緯の中でこう決まって…。時雨山が最有力になっていますが、今後のこういう時雨山案の方向性というか、重みについてはどの様に考えていったら、良いか…。
都知事・ちっとも重くねーなあ、あんな計画は。
◇=重くないんですか (笑)
都知事・短絡的に言えばだな、うーん小笠原の人が飛行場を熱望しているだけであって、飛行場あったら、小笠原行きたいっていう日本人がそれほどいる訳でもないし、しかし、もし、そういうアクセスができれば、この比類のない美しさってものを紹介できるけども。
それをどういう風に紹介するか、どういう便宜を提供して、どういう風な形のイメージにするかっていうのが全然ないだから。東京にもないし、小笠原にもない。だから、今の二見みたいなゴチャゴチャの町になっちゃたんだ。みてられないよ。計画性が無いんだ日本人ってのは。残念ながらね。だからやっぱり、しっかり飛行場なら飛行場のプロジェクトがあるとするならば、それをふまえてね、残りの小笠原どういう風な形でね、こう造形していくかって事考えないとダメですよ。
◇=山の自然も保護しなければなならないというのは当然ありますよね、
都知事・そりゃ、そうでしょうよ。ごみの処理もしなければなりませんし、小笠原がそうなって、切迫したそういう問題あるわけじゃないしね。世界中か日本中かのひょっとしたら深刻な、問題ではありますが。それが処理されることで環境が破壊されてはならないしああいうものに関しても新しい技術が開発されることを熱願していますよね。まあ、土を盛るてね要するに、なんかを平地に使うってだけのものじゃないだろうって思うんだけれどもねえ。土地が無いのかなって気はするけども、結局現段階の技術の問題なんでしょう。
平成12年10月13日
村長:時雨山に決定する経緯については、さまざまな人がさまざまな係わり方をして、特にその東京都はいろんな委員会等をつくって慎重に検討(空港設置場所)を重ねた結果、9地域に絞って、最終的には時雨山に決定したわけだ。何も思いつきで決めた事ではない。少なくともその地域をあんな簡単な表現で、ましてやさらりと言うことについては、やはりこれは、進めてきた人間としては、素直に納得はできない。
Q:そういう意味での地元の反応はどうか。
村長:地元が今まで一番悩んでる部分は、例えば兄島に決定して、六次空整にものったということで、一挙に気運が盛り上がったんです。それが、環境庁などの発言によって、時雨山に変更された。それでまた希望の灯がちょっとは灯ったなと。こうした段階で、知事があのような発言をされ、やはり、その混乱し、困惑するということが、やはり現状じゃないかと思う。
Q:そういった中で、どうして今回この抗議文を出すということに。
村長:抗議文にも書いてあるように、私どもはその東京都が第七次空整の中で、時雨山で作りますよと、いうように、私どもと約束していただいたと理解している。その方針が大きくずれるんじゃないかという、その危惧をしているので、そのことについて改めてお願いしていくと、抗議の意味も含めて抗議文を出したつもりです。
Q:今回抗議文を出しが、今後、改めて村として、どういうことをしていきたいとかってありますか。
村長:その抗議うんぬんではなくて、やはりあくまでも目的が飛行場ですから、知事もその辺についてはですね、理解を示していただいている訳ですよ。まー安く、早く、できる地域があったら、そういう方向性に向けて、作るというようにおっしゃっていただいてますんで、そのあたりを再度ですね、島民の前に計画なりなんなりを示していただいてですね。島民にもその理解をいただくと、いうような方向性で努力していきたいなと思ってます。
Q:村としてはあくまで時雨山の案でいってほしいと。
村長:私どもがその作っていただく立場で、時雨山にしろよとか、兄島にしろよとか、あるいは、どこにしろよと、いうような立場にはないと思ってますので、どこであってもつくっていただくと、つくっていただけるというなら、ありがたい話しだと思ってますよ。
Q:知事の発言で、島民の皆さんやっぱり一喜一憂している訳ですよね。これまでもその先ほどからおっしゃっているように、知事の発言のその重みといいますかね、その辺はどうお感じになってますか。
村長:その辺りがですね、知事の発言。すくなくてもトップの発言ですから東京都の、やはりそのトップの発言っていうのは、重いと思ってますよ。
Q:この抗議文は議会の発言とそれから今回また知事が改めてここまでの経緯なんか重たいもんでもなんでもないというそう言う風にいった、両方にかかってるんですか。議会答弁の方を主体に、どっちを。定例会見・・・
村長:MXテレビとか、毎日新聞の報道とか、
Q:今回の視察も今日付けってことは、視察も含めてということですよね。
村長:まーそりゃ内容はほとんど変わりませんから。
Q:含めてるとも考えていいわけですよね。
村長:そうとってもらって結構です。
Q:知事には口頭でもお話ししたけれども、また、きいてないかもしれないから、あえて文章で…。
村長:はい。
Q:マリーナ計画についてですが、マリーナなんて作ってどうなるんだ、みたいな知事はおっしゃてましたが、あれはもともと都の計画ですよね。その辺は・・・
村長:まー形の上では、村の意向を受けて、東京都がそれをとり入れて、計画をしたと、いうことになってると思うんですが、私は、村長になってからといいますかね、もうほとんどこう暗礁に乗り上げたというか、具体的な動きがないままに、この2〜3年は推移をしてきていると、まーいうような現状で、つい最近になって恐らくマリーナ問題は一からの出なおしと、いう認識で私はいたんですけどね。
Q:その辺知事は十分、これまでの経緯とか、お話、レクチャーを受けてないんでしょうかね。
村長:まーその辺りについては、まーよくはわかりませんが、東京都の方で詳しい説明は恐らく、なさっていなかったんじゃないのかなと、そのように思いますね。
Q:今回の知事の視察全体を通して、どのようにお感じになりますか。
村長:まーあの一度や二度じゃないですから、代議士時代も含めると、恐らく何回も来てますから、まーいつもと、お立場が変わっても変わらない視察だなと、いうような気がしますね。
Q:あの島民の方の中からは、ダイビングばっかりしてるんじゃないか、というよう声も出てますけども、どうですか。
村長:まー確かにそのーそういう意味合いもゼロではないでしょうけど、まー少なくても飛行場予定地を海から山から多方面、多くの視点で見ていただいたと、少なくても私はそう理解しています。
Q:島民の方は皆さんどんな風に今回の視察を受けとめていらっしゃいますか。
村長:まー私まだ、島民の方々と接してませんから、まーよくわかりませんけど、どうですかね。少なくともそのー全体的に好意をもってみてると、いう部分についてはやっぱり少ないのかなと、いうようなそのー印象を受けますね。
Q:島民の気持ちがまだ十分に伝わってないっていう感じですか。
村長:まー知事はね、やっぱりあれだけの方ですから、国際的にもまーある意味じゃ通用する立派な方だと思ってますよ。ただし、その一方ではこういう小さな地域の住民の苦しみ、痛みというような部分については、若干こう目が行き届かないっていうか、理解していただけない部分も多々あるんじゃないかと思いますね。
二階俊博運輸大臣が小笠原空港建設予定地など視察するため、2月26日、27日の2日間、小笠原を訪れた。26日午前9時、東京を出発した二階運輸相ら一行は硫黄島を視察した後、海上保安庁のヘリ(ベル212)2機で小笠原父島に到着した。来島したのは二階俊博運輸大臣、荒井雅吾海上保安庁長官、岩村敏運輸省航空局長、河島康宏港湾局長ら運輸省幹部と東京都からは福永正通副知事など11名。 午後4時父島に到着した一行は、島民約100人に迎えられ、歓迎セレモニーを行った後、早速、都小笠原支庁の職員に案内され、小笠原空港建設予定地の時雨山など視察した。(=写真=)
◆視察のため小笠原を訪れた二階運輸相と岩村敬運輸省航空局長(左)
二階運輸相は、平成4年2月、衆議院議員として奥田敬和運輸相(当時)、松尾道彦運輸省航空局長(当時)鹿谷崇義都副知事(当時)ら政府・都の要人とともに来島して以来8年ぶり3回目の訪問。同氏は第六次空港整備計画に小笠原空港が予定事業に採択された当時、運輸政務次官として採択実現に多大な尽力をした。
( 2000.3.3) 【宮澤村長インタビュー】 【聞き手・本紙 山縣 浩】
二階運輸相始め、運輸省幹部、東京都副知事ら一行11人が2月26・27日、小笠原空港建設地を視察するため、来島した。小笠原新聞社は宮澤村長にインタビューし、感想を聞いてみた。
1・今回、二階運輸相の来島で感じたことは
六空整で「予定事業」に繰り込まれ、建設予定地が兄島に決まったものの自然保護の問題などで再検証するなど、これまで紆余屈折があったが、東京都はよくやってくれていると思う。航空路実現に村内の期待が大きかったために、空港開設にやや沈滞ムードが漂っていた事も事実だった。しかし、今回、二階運輸相の来島で大臣の力強いお言葉によって、村民の間でそうしたムードが払拭されたと思う。
2..二階大臣が小笠原に来島するまで、実現に大変ご苦労されたと聞くが。
これまで、何度か二階大臣にお逢いして話をしておりましたが、今回の来島に当たっては決して私一人の力ではありません。前回の選挙のわだかまりも有りましたが、これをきっかけに村議会始め、小笠原空港建設特別委員会委員長である宮川晋議員のご協力も得てその成果が今度の大臣の来島の実現につながった。
3.選挙後のわだかまりも二階大臣の来島で解消されたという事か。
そうです。私も議会も「村の発展」と言うことでは目的は一緒ですから、是々非々で議論をしてきた。その結果が、二階大臣の来島までの側面の成果だと思う。そういう意味あいでも、村にとって「明るい光」が見えてきたと思う。
4.空港建設ばかりでなく、村の前途に希望を持った「光」と言うことか。
重要課題が山積している中で、これまで、ぎくしゃくしていた村内のムードが変わったと思っている。形では表せないが、気持ちの上ではこれまでの光と「輝き」が違うと感じている。
5.村としては、空港問題を含めていろんな意味で改めてスタート台に立ったと思うが。
村として返還以来、スタートしているんだが、空港問題にで言えば、建設予定地が兄島から時雨山周辺域に変わって、言うなればこれが最後のスタートと言える。これまでと違うのは、ゴールラインが見えてきたという事だ。新たなる出発と位置づけてもいいと思う。
6.今後、これを基点にどう展開していく考えか。
具体的に言えば、陳情一つをとってもこれまでのような手法でなく、村民と一体となって「光」に向かって邁進する努力をしていきたい。空港が出来たからと言ってそれで終わりと言うことではない。目標が見えてきているのだから、その間、受け入れ測が観光立島として「村づくり」という土俵づくりをどのように作くっていくかが重要だ。
7.視察に随行しての印象は。
これまで空港問題についてはいろいろの方が応援して下さって、今日のレベルまで来た。これまで持ってくる経緯の中で、表面にでない多くの問題を抱えている小笠原について、本当によく理解をされている。今回、私は運輸省をを中心とするところの、今後の展開に希望を持ちました。二階運輸大臣が小笠原が置かれている立場(戦争・返還と言う問題など)や特殊性ということを深く理解されてお話しして下さっているという印象が強かった。もう一つは、時雨山周辺域に飛行場を作る云々だけでなく、「ここで俺がどうあっても、作るんだ」という大臣の気持ちがひしひしと伝わってきた。それが私のいう「光がみえてきた」という事だ。
二階俊博運輸相は、東京都が計画中の小笠原空港建設地を、2月26・27日の2日間、荒井海上保安庁長官、 岩村航空局長、江頭飛行場計画課長ら運輸省幹部と東京都から福永正通都副知事、高見都港湾局技官など11人と共に小笠原を訪問。帰京後の2月29日の閣僚懇談会で、都が父島で計画する空港建設予定地の視察結果を報告した。
運輸相は「自然環境と共生できる空港整備を目指し、一層努力したい」と延べ、小笠原空港建設の実現を全面的に支援する意向を改めて表明し、国土、環境庁などの協
力を要請した。これに対し、清水嘉与子環境庁長官は「必要性は十分理解しているが、自然環境との両立が必要だ」と述べ、環境問題の解決についての配慮を求めた。
また、運輸相は閣僚懇談会の報告の中で、小笠原空港整備の必要性について「27日の帰りには強風で父島のヘリコプター基地が使えなくなり、島影に移動させた海上保安庁の巡視船のヘリに乗って何とか硫黄島についた。折しも、同日早朝に、東京での緊急が必要な病人が発生し、悪天候のため防衛庁の飛行艇が出動できず、このため、小笠原海上保安署のボートで沖合いの巡視船まで運び、その巡視船のヘリで私達一行と硫黄島まで同乗し、海上保安庁の小型ジェット機で都内の病院へ移送されました。」と延べ、「期せずして、小笠原島民の置かれている現状を経験し、改めて、空港整備の必要性を痛感した」と語り、小淵総理始め各閣僚に理解と協力を求めた。
運輸省は、東京都の調査結果を待って、環境庁、国土庁等関係官庁などと協議に入り、適切な対応をしていく考えを示した。
ー実際に現場(時雨山周辺域の候補地)を見られての率直な感想は。
二階 環境問題はクリアできそうだ。東京都とのご理解を深め、国土庁、環境庁と十分協議の上取り組んでいきたい。
小笠原の戦後を担ってきた島民の方々の期待にどう応えていくかということを、十年前、運輸省の政務次官時代から一日も忘れていない。
実は私は小笠原に来るのは三回目でしてね。十年前と、八年前、そして今回と。いずれも空港問題で地元の皆さんのご要請がきわめて熱心ですから、今度も何時か機会を見てお伺いしようと思っていた。今日こうして実際現地に来させてもらった。
島の状況や環境問題等を考え合わせると、関係者の皆さんが今日現在最適な場所だということで、選ばれたようだが、今、位置的にも問題はクリアできそうだということですから、これから東京都とご相談すると同時に、関係省庁、特に国土庁、環境庁と十分相談して前向きに取り組んでいきたいと思っている。
ー八年ぶりの小笠原の印象はどうか。
二階 ずいぶん街並みや家並みがきれいになり、島民の皆さんの頑張りが、手に取るようにわかった。それだけに空港に寄せる期待が大きいことが、一人一人の真剣なお話しから理解できた。私が初めてお伺いしてからでさえ十年も経っている訳だから、できるだけ早い機会に結論を得て、村民の皆さんの期待に応えるようにしなければいけないと思っている。
国土の均衡ある発展とよく言われるが、私は小笠原がたとえ人口は少なくても空港が必要だということはよく理解できる。だから、運輸省としては、あるいは国土庁としては何が出来るか。また環境庁にはどういう協力をしていただくか。特に東京都と積極的な話し合いをして、十分ご相談しながらやっていきたい。
ーこの度の大臣の来島で村民の空港建設への期待が高まっているが。
二階 十年間の間に何回小笠原の代表の方が来られたことか。選挙区でも無ければ東京都出身でもないが、自分としてはただ一地域の要望として受け止めるだけでなく、今、沖繩の問題について国を挙げて対応しようとしている時に、もう一つ小笠原や硫黄島が担ってきた大きな戦後の、島民の皆さんの思いに対して、私達はこれは当然国を挙げて対応すべきものだと考えている。
小笠原の二千余人の為に六百億円からの費用を投じて空港を造るのはどうか等という人もいるが、私はそんな意見にはくみするつもりは全くない。村民の皆さんや東京都と力を合わせて、私が成し得る限りのことは全力を尽くしてやりたい。
【2000.3.014】
岩村運輸省航空局長は、3月3日の記者会見で、2月26・27日の2日間、二階俊博運輸相、福永正通東京都副知事らと小笠原を訪れ、空港建設予定地の時雨山周辺域を視察した感想を次のように語った。
「小笠原空港は、第6空整で予定事業となり、地元の空港開設への要望が強いことがひしひしと感じた。帰京する27日朝、急患が発生し、たまたま当日は風が強くヘリコプターが飛べず、国会があるため海上保安庁に手配してもらい巡視船のヘリで硫黄島に戻った。患者の移送を最優先ということで午後5時30分に羽田へつく予定が、結局、午後10時半頃になった。
大臣が小笠原に行っていなければ、巡視船も父島付近におらず、急病人はどうなったか。このような事態を見ていると固定翼の飛行機が必要だと実感した。
また、観光客が羽織ると自然が駄目になるという話しもあるが、ガラパゴス諸島には4つの空港があり、観光客も来るが、島での移動はレンジャーやガイドも一緒に移動してきちんと管理している。ガラパゴスが俗化したとか貴重種が絶滅したとか聞かない。要はやり方次第だと思う」
(99.12.1)
新会長に安藤氏が有力 会長人事を含み 組織改編の動き
地元住民で構成する「小笠原空港建設促進期成同盟(鯰江満・会長代行)」の会長人事の問題で、島内では、これまで会長空席のまま空港建設促進活動が停滞している現状を憂慮、これを打開するため、新たに組織改編を含む形で宮澤村長や村議会で検討され、新会長に元村長の安藤光一氏に就任を要請していたことが、このほど、分かった。これまで新会長人事については、自薦、他薦を含め持ち上がっては消え難航していた。今回の村長の要請に対して同氏は、会長職を受ける意向を示し、遅くも年内までには正式に決定する公算が強くなった。
第7次空港整備7ヶ年計画の最終年度に当たる平成13年度には、小笠原空港建設の着工が予定されていることから、小笠原村議会(稲垣勇議長)は、東京都が小笠原空港建設候補地に「時雨山周辺域」を選定したことを受け、10月、臨時議会を開き第7次空港整備7ヶ年計画内に小笠原空港建設早期着工に関する決議を採択。11月中旬、東京都知事、都議会各会派へ要望書を提出した。これに伴い、会長席が空席のまま空洞化していた「小笠原空港建設促進期成同盟」の組織改編を含め、新会長の人選がここに来て急展開してきた。
「小笠原空港建設促進期成同盟」
二階運輸相も 安藤氏の会長就任を支援
有力視されていた、小笠原空港期成同盟の次期会長に安藤光一・元村長(60)の就任が、ここにきてほぼ固まってきたようだ。同氏の就任が確実になってきた背景には、現職中に空港建設問題を手がけてきたことに加え、十一月中旬、二階俊博運輸大臣、川島忠一都議会自民党幹事長と宮澤村長、小笠原村議の宮川晋氏、 池田望氏を交えての懇親会の席で、二階運輸相から期成同盟の会長に安藤氏にを推す声があったためだ。 今後、鯰江満会長代行(小笠原の明日を創る会会長)の後任人事は安藤氏を軸として役員および組織改編など調整される模様だ。
期成同盟新会長への就任が決まる運びとなるには、十二月村議会定例会閉幕後の後、宮澤村長が改めて 安藤光一氏を訪ねて就任の要請をすることが確実で、調整は急ピッチで進められているようだ。宮川晋議員は「 識的には年内にもまとめたい」と述べ、今後、新組織で発足する会長、副会長(男女各一名)を交えた新役員で規約の中身、財源、活動計画など検討を行ない、宮澤村長、村議会、当局らとも調整を図りたい考えだ。
宮川晋空特別委員長は、小笠原空港建設促進で、「村当局の意見を聞きながら、議会が協力することで認識が一致した。引き続き調整が残っているが、今後とも小笠原発展のため村長を支えていきたい」と述べた。また、期成同盟の新会長に就任する予定の安藤光一会長は、「村長説明が前で、まず報告を受けてから、細かい話し 合いを進めたい」と宮澤村長の考えを尊重する構えだ。
(11.26) 小笠原村陳情団 石原都知事、福永副知事、関係機関へ
11月12日、都庁を訪れた宮澤村長、村議会議員団一行7人は福永副知事、青山副知事らを訪ね「村民の悲願・総意の小笠原空港建設を実現するよう要望します」と要望書を手渡した。
陳情団一行はこの後、島しょ選出の川島忠一都議(自民党都議会幹事長)を訪問。小笠原空港問題について、多大な尽力を感謝の意を表すると共に、忌憚のない意見を交換し、今後も引き続き支援と協力を懇請した。この後、川島都議の案内で都議会各派を訪れ、空港建設に向け協力を要請した。
「小笠原空港建設促進期成同盟」
二階運輸相も 安藤氏の会長就任を支援
有力視されていた、小笠原空港期成同盟の次期会長に安藤光一・元村長(60)の就任が、ここにきてほぼ固まってきたようだ。同氏の就任が確実になってきた背景には、現職中に空港建設問題を手がけてきたことに加え、十一月中旬、二階俊博運輸大臣、川島忠一都議会自民党幹事長と宮澤村長、小笠原村議の宮川晋氏、 池田望氏を交えての懇親会の席で、二階運輸相から期成同盟の会長に安藤氏にを推す声があったためだ。 今後、鯰江満会長代行(小笠原の明日を創る会会長)の後任人事は安藤氏を軸として役員および組織改編など調整される模様だ。
期成同盟新会長への就任が決まる運びとなるには、十二月村議会定例会閉幕後の後、宮澤村長が改めて 安藤光一氏を訪ねて就任の要請をすることが確実で、調整は急ピッチで進められているようだ。宮川晋議員は「 識的には年内にもまとめたい」と述べ、今後、新組織で発足する会長、副会長(男女各一名)を交えた新役員で規約の中身、財源、活動計画など検討を行ない、宮澤村長、村議会、当局らとも調整を図りたい考えだ。
宮川晋空特別委員長は、小笠原空港建設促進で、「村当局の意見を聞きながら、議会が協力することで認識が一致した。引き続き調整が残っているが、今後とも小笠原発展のため村長を支えていきたい」と述べた。また、期成同盟の新会長に就任する予定の安藤光一会長は、「村長説明が前で、まず報告を受けてから、細かい話し 合いを進めたい」と宮澤村長の考えを尊重する構えだ。
九月十四付の「日刊建設工業新聞」で、小笠原空港建設について東京都が二0一八年に供用予定の小笠原空港完成までの間に「つなぎ案」を検討していると報道された。
同紙によると、東京都は、小笠原父島の時雨山周辺域に建設される「小笠原空港」が開港されるまでの間、当面の“つなぎ”となる交通アクセスの検討に入ったとし、本格空港となる小笠原空港の完成に時間がかかる事から、島民の利便性向上のため、船便の増発、高速艇の導入、飛行艇による近海への着水。簡易空港の建設など様々な角度から、つなぎの交通手段の実現可能性を探っているとしている。
さらに、都は、小笠原空港建設ついていったん建設地を「兄島」に決定したが環境庁からストップがかけられた。都はこれを受け、改めて建設地の再検証する事になった。同空港の整備について97年から専門委員会を設置した上で検討を重ね、父島の「時雨山周辺域」を建設候補地に決めた。
石原都知事のいう“つなぎ案”には庁内には否定論が多かったが結果的には石原都知事の意向に応える形で、航空アクセスを主体に検討を進める考えだ。都は出来るだけ早期に検討の方向性を打ちだし、具体策の絞り込みを行いたいとしている。
(平成11年6月)
【小笠原空港】
難しい財源確保・石原都知事
石原都知事は、村政確立20数年記念式典の挨拶の中で、「言うに易く、行なうに難しだが、本当にここに航空路が必要だと、ひしと感じていた」と、しながらも、「バブル崩壊後、国や東京都は財政の逼迫でなかなか大変だ。開発も慎重にしていかないとアブハチ取らずになりかねない」と語った。 石原都知事は、村政確立20数年記念式典の挨拶の中で、「言うに易く、行なうに難しだが、本当にここに航空路が必要だと、ひしと感じていた」と、しながらも、「バブル崩壊後、国や東京都は財政の逼迫でなかなか大変だ。開発も慎重にしていかないとアブハチ取らずになりかねない」と語った。
(平成11年6月)
石原都知事は、母島の視察を終えた、十九日、小笠原支庁で職員全員を前に訓辞を述べた。その後、小笠原空港建設をめぐり小笠原新聞のインタビューに応え、「建設地を視察して、大変なところだなと感じた。現状の財政状況を考えると非常に厳ししい」と述べた後、「とは言っても必要性は認識している。空港建設は十年かかるか十五年かかるか何とも言えぬが、代案があればそれも今後の検討課題。皆さんの期待に沿うよう努力していきたい」とし、空港建設の着工時期や時雨山案も修正する可能性もあることを明らかにした。
◎本紙石原都知事インタビュー (99.6.19)
小笠原新聞社は、六月十九日、都知事就任後初めて小笠原村を訪問した石原慎太郎都知事に、空港建設予定地の「時雨山」など視察した後、小笠原空港建設問題についてインタビューした。
飛行場建設問題『代案はあるのか、柔軟に考えて』ー 石原都知事
Q・小笠原の飛行場建設問題に関して、(記念式典での)挨拶の中で村民は期待を持って受けとめていたが、18日のダイビング直後のTV放送の中で知事は、『非常に難しいね』という発言をしていたがどうなのか。
石原都知事・まあ、現場に行ってみればわかることだけど難しいよ、それは。工事としても難しいし、難しい工事ならお金も掛かるし、村民の要求が非常に大きいのもわかりますがね。私自身議員の時に、洲崎に飛行場ができないか色々苦労して、試験フライトを仲間の飛行機でやってみたものだ。ちょうど運輸大臣の時に六次空整で調査費を付ける手立てまでしたがね。そのあと、『時雨山』に決まったということを聞いて、私自身「ほーーっ!」と思ったね。
Q・驚きのその真意は何か。
石原都知事・そりゃあ、あそこ(時雨山)に飛行場を造るというのは時間は掛かるし、お金は掛かるしだね、その環境問題というのももちろん大事ですよ。私はそれを無視して物事をしろとは言いませんがね。しかし、そのへんのトレード(交換する)オブバランス(調和)をどうやってとるのかということだと思う。しかも最低限15年かかる工事というのだったら、「百年河清を待つ」ようなことにならないとは思うけれど、おそらく時間も金ももっと掛かることになるだろう。しかし、クロウトが考えたって、シロウトが考えたって、あそこ(時雨山)に飛行場を造るというのは大変なことだよ。今、国も東京都もお金が無い。でも、無いからやらないと言って済むものでもない。
Q・では、知事として、どうお考えか。
石原都知事・他に代案があるのか、無いのか。そこいらへんをもうちょっとみんなで柔軟に考えたほうがいいんじゃないの。
Q・空港問題についてはもう少し検討時間を長く取ったほうが良いということか。
石原都知事・いやいや、国が決めたことは国の段階のことだけれども、可能性のないことを論じたってしょうがないからな。頭を冷やして考えていいものなら、十五年先しかできなくていいのか
いろんな問題が起こってきたりしても、島民はとにかく飛行場をつくっていこうということなら、他の代案があるのか無いのか、(双方の責任ですが)私も知事の責任で考えてみたいなと思う。
Q・これまでにも洲崎やケイタ島の案が出ていたようだが、改めてそういった案を検討すると言ったことが考えられるのか。
石原都知事・今、財政がこういう時で、それでなお最低十五年かかる工事を、ここで暮らす人が待てるのか、待てないのか島民に聞いてほしい。
◆小笠原は相変わらず素晴らしい。
Q・久々に訪れた『小笠原』の印象はいかがか。
石原都知事・相変わらず素晴らしい。若者がたくさん新規に島民になって、人生をここで過ごしたいという形で、人口が増えているということは、とってもいいことだし、若者の方が利口だなという感じがしますよ。
(平成10年6月)
国の財政援助を期待 30周年記念式典で
「小笠原空港建設については、国の財政支援を大いに期待している」ーー。財源問題で青島都知事
返還三十周年記念式典に出席するため小笠原村を訪れていた青島幸男・東京都知事は、六月二十八日、小笠原新聞社の取材に応じ、小笠原空港建設計画推進の最重要問題とみられる財源確保についての難しさを強調した。
青島都知事によれば、都財政は年々悪化しており、空港建設のための新たな起債を行うことは困難な状況にある。したがって、建設資金のかなりの部分を国からの支援に依存せざるを得ないとして、大要次のように語った。
「政府が(小笠原空港の )財源問題を心配している事実は承知している。ただ、二〜三年で完了する短期的事業ではない。今はそう言っていても、これまでの路線を続けていく以上 、国はいずれ(資金を)出さざるを得なくなるはずだ。そこに期待している」。と、財源問題について自身の考えを明らかにした。
なを、都によれば、小笠原空港建設には総額六百五十億円の建設費を見込んでいる。
(平成9年五月)
東京から南へ1.000・離れた小笠原諸島に空港新設を計画している東京都は、五月十九日、多摩島しょ振興推進会議(本部長・青島幸男都知事)を開き、父島内陸部の時雨山周辺域に最終的な建設地とすることを正式決定した。建設費は約六百五十億円と見込まれ、財源確保が今後の課題になりそうだ。
都は、平成七年二月、建設地をいったんは兄島と決めたが、自然保護の観点から見直しを求められ、建設地は白紙に戻った。このため、小笠原諸島のうち五つの島を対象に環境調査などをして検討した結果、環境などへの影響の少なさや運航の安全性、工事費の経済性などから、父島南東部「時雨山周辺域」に絞り込んだ。
空港の滑走路の長さは千七百メートルの規模で、羽田からジエット旅客機を運航させる。都は環境アセスメントを実施したうえで、二〇〇〇年度にも運輸省に設置申請する方針。計画が順調に進めば、二〇〇八年には開港の見通しだ。
地方空港の新設に消極姿勢を見せ始めている運輸省も、代替え手段の少ない小笠原空港には前向きな考えを示している。問題は、事業費の分担で、互いに財政難に悩む東京都と国の今後の調整が注目される。
※・総務局は五月十四日付、「小笠原空港の建設について」の議題で。第34階回多摩島しょ振興推進会議(本部長・青島幸男都知事)の開催通知を各部局に文書で通達。第一本庁舎、7階特別会議室。日時、5月19日、午前十一時五十分から五十五分まで。
地方空港見直しー運輸省 小笠原空港は東京都の計画計画待ち
公共事業見直し地方港湾も対象藤井運輪相藤井孝男運輪相は三日の閣議後の記者会見て、公共事業の見直し問題について「様々な事業が本当に必要かどうかチェックしないといけない。地方空港のはか、地方港湾なども計画を再考する」と述べ、案件によっては計画を白紙撤回する意向を表明した。見直しの具体的な対象については言及を避けたが、「地元の調整や環境問題で一向に進まないものは(見直しも)やむを得ない」と語った。
国内航空会社の経営環境にも触れ、「航空分野の規制緩和が進み、厳しい環境にある。地方空港を造って効果があるのか、費用対効果を検討する必要がある」と指摘した。ただ、離島路線については「生活路線の維持という観点から(空港を)造るべきものは造らないといけない」と語り、政府による支援を検討する考えを示した。今後の公共事業計画に関しては「(大都市圏での)拠点空港、拠点港湾の整備を最優先していく」と強調した。(日本経済新間1998年4月3日夕刊)
自然環境問題で、見直しを迫られていた小笠原空港建設は、建設地の再検証をするための環境調査が進められてきた。小笠原空港問題は、第六次空港整備五カ年計画で「予定事業」に盛り込まれ、第七次空整に引き継がれていたところ、九五年二月、兄島にいったんは決定したものの、環境問題などで環境庁が「自然環境保護の観点から好ましくない」として、一旦はヘ白紙に戻った。 この後、都は「小笠原空港等専門委員会」(委員長・東昭・東大名誉教授)を設置し、動植物を含めた環境現況調査に基ずき再検証を行なっていた。
同委員会は、二月までに調査結果をまとめ都に提出していた。 都は、これを受け、推進本部で決めた後四月九日、十日の両日、鈴木総務局行政部長、中塚地域振興課長を始めとする港湾局、建設局ら関係部局の担当者らが来島し、地元小笠原の父・母島で村民説明会を開いた。同説明会では、これまでの調査結果や今後の運輸省、環境庁への協議などを含めた取り組みについて説明した。都では、空港建設地の正式決定は、五月末にも都議会へ説明を終えた後、発表する意向だ。
小笠原村における航空路の開設は、昭和四十三年の小笠原諸島返還以来村民の総意であり悲願として強く要望してきたが、その実現の道は長く険しく、返還三十周年を迎えた現在でも、六日に一便、所要時間二十五時間という定期船が当村の唯一の交通手段となっている。
返還以来幾多の曲折を経ながら、ようやく平成三年十一月、国の「第六次空港整備五箇計」小笠原空港が予定事業として採択され、京都も空港の設置位置「島」と決定したことから、私たち村民の期待も大きくふくらむこととなったが、環境庁より自然保護の観点から兄島空港案への反対の意向が伝えられた。東京都はこれを真摯に受けとめ、再度、兄島以外での空港建設の可能性を検討するため、二カ年に亘る「小笠原空港環境現況調査」及び「小笠原空港建設等専門委員会」の審議を経て、平成十年四月七日、小笠原空港の建設地を「父島の時雨山周辺域」とするとの考え方を決定した。
今回の「環境現況調査」では、小笠原の自然環境に精通したわが国有数の学術専門家により構成される「小笠原環境調査委員会」及び「同小委員会」によって調査が進められ、「小笠原の自然環境の特性(小笠原特有の生態系)の保持」を視点として空港立地適性を検討し、更に、これを受けて設置された「専門委員会」では、然研究者の他、航空、建設関係の専門家等を加えた委員により、自然環境の保護保全策、運航の安全性・安定性、経済性等について検討されている。
これらの調査・提セは、各専門分野の英知を結集たものであり、東京都が、これらの結果を総合的に判断して小笠原空港の建設位置を示したことに対し、小笠原における空港と自然環境との共存に十分配慮をした最善の結論であると判断をすると同時に、小笠原村民の切な願いを受けてここに至るまでの東京都のご努力に対し、深甚なる敬意と感謝を表するものである。 改めて申すまでもなく、航路開設は小笠原諸島振興の根幹をなすものであり、民生安定、産業振興、自立発展のために必要不可欠の最重要課題として、小笠原村民はその実現を一日千秋の想いで待ち望んでいる。よって、小笠原村議会は、小笠原空港の建設位置を東京都の示した「父島の時雨山周辺域」とすること、及び「代七次空港整備七箇年計画」において小笠原空港建設に早期に着手されることを強く求めるものである。右決議す。小笠原村議会 平成10年5月10・/B>
小笠原空港整備七箇年計画について(参考資料)
小笠原空港整備七箇年計画を次のとおり定める。
1.空港整備事業の実施の目標 国際及び国内の航空輸送に対する国民の要請にこたえて、空港周辺にる環境の保全、航空交通安全の確保及び震災等災害対策の強化を図りつつ、空港の整備を計画的に推進するため、平成8年度以降七箇年間における空港整備に関する投資の規模を総額3兆6,000億円(調整費2,000億円を含む。)とする。 なお、この計画の実施に当たっては、財政の健全性の確保に留意しつつ、その促進に努めることとし、各種事業の整合性の確保を図り、建設コストの低減により効果的・効率的な整備に努める。また、今後の社会・経済の動向、財政事情等を勘案しつつ、弾力的に本計画の実施を図るとともに、必要に応じ、その見直しにつき検討するものとする。 bアの計画における事業別の実施の目標は、次のとおりとする。
(1) 空港の整備 (ア) 航空による国際交流の増大と国内航空ネットワークの充実に対する国民の緊急の要請にこたえるため、航空ネットワーク形成の拠点となる大都市圏における拠点空港の整備を最優先課題として推進する。具体的には、新東京国際 空港の平行滑走路等の完成をめざすとともに、東京国際空港の沖合展開の早期完成を図り、併せて近畿圏の既存空港との役割分担を明確にした上で、関西国際空港の全体構想のうち2期事業として平行滑走路等の整備を推進する。ま た、中部圏における新たな拠点空港の構想について、定期航空路線の一元化を前提に、関係者が連携して、総合的な調査検討を進め早期に結論を得た上、その事業の推進を図る。さらに、東京国際空港の将来におけッる能力の限界に対応し、首都圏おける新たな拠点空港の構想について、事業着手をめざし、関係地方公共団体と連携しつつ総合的な調査検討を進める。 (イ) 国際及び国内の航空ネットワークの充実を図るため、一般空港等について継続事業を中心として整備を進めるとともに、需要への対応を基本としつつ、既存空港の高質化等所要の整備を図る。
(2) 空港周辺環境対策事業の推進 航空機騒音に係る環境基準の達成のため移転補償等を進めるとともに、緩衝 緑地帯の造成、再開発等の事業により周辺地域の整備を進め、空港と周辺地域の調和ある発展を図る。
(3) 航空保安施設の整備航空交通の増大と多様化に対応して、安全の確保を最優先としつつ、空域の有効利用等による航空交通容量の拡大を図るため、次世代のシステムを含めた 航空保安施設の整備を図る。 2.空港整備事業の量 (1) 空港の整備 2兆 220億円 (2) 民間出資関連事業の推進 5,740億円 (関西国際空港の整備) (3) 空港周辺環境対策事業の推進 3,370億円 (4) 航空保安施設の整備 4,670億円 (5) 調 整 費 2,000億円 合 計 3兆 6,000億円