NEW(2007.3.28)
小笠原村議会は第1回議会定例会最終日、これまで硫黄島(東京都・小笠原村)は「いおうじま」と呼ばれたり、「いおうとう」と呼称されたりしてバラバラだったことから、同島の呼称を硫黄島(いおうとう)に統一しようと「硫黄島の呼称に関する決議案」を提出し採択された。
決議文によれば、「昨今、クリント・イーストウッド監督の映画『父親たちの星条旗』と『硫黄島からの手紙』の2作品が上映され、硫黄島が一躍大きな話題を呼び注目されている。しかしながら、昨今、歴史の外に置かれがちな硫黄島にとって喜ばしいところであるが、その際、硫黄島が『イオウジマ』と呼ばれる度に、島民は心に大きな痛手を感じている」と、慣れ親しんできた島の呼称も変えられたとして、島民の心情を訴えている。
本土で真っ先に戦場となり「玉砕の島」として知られている硫黄島(いおうとう)は、太平洋戦争末期の昭和19年、定住していた約1000余名の島民が国の命令で強制疎開をさせられ、戦後60年経った現在も帰島も許されずにいる。現在も旧硫黄島島民だけでなく小笠原島民の殆どは、親しみを持って同島を硫黄島「いおうとう」と呼んでいる。
議会は、昭和19年の強制疎開より60年を経た今、硫黄島開拓から始まった、島民の定住の歴史の証として「硫黄島」の呼称は、今後「いおうとう」と呼び名を統一しようと決めた。 ※・【写真=硫黄島全景(上)と映画、「硫黄島からの手紙」から】
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