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NEw (07.09.14)      

 クマネズミ「根絶」に成功 小笠原諸島、西島で

  (独)森林総合研究所と自然環境研究センター

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 小笠原諸島にある無人島の西島(東京都・小笠原村)で、2500匹ほどいたと推定される外来種のクマネズミを「根絶」することに、森林総合研究所と自然環境研究センターのチームが成功した。東京で開かれる日本哺乳(ほにゅう)類学会で15日、発表される。

 チームは、固有の自然が比較的残っており、規模が小さくコントロールがしやすい西島を選んで、05年から予備調査を始めた。

 今年3月、0.5平方キロの島全域に800個のエサ台を設置し、殺鼠(さっそ)剤を混ぜた毒餌を置いた。徐々にエサが減らなくなり、2週間後には食べられなくなった。その後もクマネズミの痕跡も見られないことから、根絶された可能性が高い、と判断した。根絶が確認されれば、初めてになる。

 エサ台はヤドカリなどが上りにくいT字形で、地上十数センチのところにエサを置く横長の筒がある。殺鼠剤も、鳥などへの毒性が極めて低い殺鼠剤を用いたうえ、鷹の仲間でネズミを食べるオガサワラノスリに影響が及ばないよう、監視もした。

 クマネズミは、西島でテリハハマボウやヤロードなどの在来の植物の木や種子を食べてしまうほか、東島では、アナドリや希少なオーストンウミツバメの卵やヒナ、成鳥を食べて、壊滅的な被害を与えているとも言われる。

 チームの統括責任者である森林総研の牧野俊一領域長は、「今回の方法が、外来種で悩む他の島でも利用できる一つのモデルになれば」と話している。 【07年09月15日/朝日新聞】

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