(2001.3.13
「小笠原にしかできないこと」・「小笠原だからできること」を定義として、この程、宮澤村長が政策ビジョンとして打ち出した『小笠原主義』に対して池田望議員は、「主義というと独善的な臭いもする。抽象的でよくわからない。三役は承知のことか」と質したのに対し、宮澤村長は「ここしかできないという一例で製塩事業を。ここだからできることは、歴史的にも新旧島民が一体となれるということだ」とし、庁内の共通理解については時間が欲しいと述べた。
これに対し池田議員は「具体性に欠け情緒的。その考えを啓蒙するなら過去4年間の内にすべきだった。『小笠原主義』が村民に理解されるよう、独善的な『宮澤主義』にならないように」と指摘した。
同様に宮川晋議員からも「政策として製塩事業を挙げているが、その前にどういう村にしたいのか、わかりやすいビジョンと、具体的施策を示して欲しい」との指摘があった。
宮澤村長は「六月の村長選で再選されたら、13年度内に具体的なものを示せるようにしたい」と述べた。
現在、父島クリーンセンターの焼却炉では対応できない、ダイオキシンの出る塩化ビニール系の産業廃棄物が野積みになっていることに対して、菊池聰彦議員はその処理について質問。宮澤昭一村長は「産業廃棄物は行政の責任ではないが、当村ではそういう訳にもいかない。島外搬出ルートの確保のめどがついた」と答えた。なお陸揚げ許可は夏頃降り、六月頃より(株)共勝丸が運送当たる予定。
また、島外搬出できないコンクリートのガラの処分については、島内に処理工場を設置の上、リサイクルする。
宮澤村長の所信から、杉田一夫議員は観光振興と産業振興の方策を質問。宮澤村長は観光振興策について「TSL就航で観光振興の土壌ぐらいはできるのでは」と述べた。産業振興策としては「新産業として塩を軌道にのせたい」とし、その拠点を父島は宮の浜周辺。母島では北港周辺を考えていることを明らかにした。
村のコンセプトを確認して整備の実施を急げc議会
12月14日(木)に開かれた「扇浦地区整備促進特別委員会」において、平成元年に小笠原振興事業の中で重要課題と位置付けられた扇浦地区整備計画の経過と流れについて村の説明があった。宮澤村長から、「扇浦開発は重要な課題。議会からも提言を」と出され、各委員からは整備の方向性を明確にして整備を急ぐよう提言がなされた。
小笠原村振興のため、平成元年に立ち上がった扇浦開発計画は、漁業関係の海域権問題や、民間の土地問題等が壁となり遅々として進まず、第一次計画内で実施までこぎつけることができなかった。
村はようやく平成10年に第二次検討委員会を立ち上げ、再度計画を練り上げ、平成11年5月には小笠原総合開発審議会からも「この計画で早急に実施すべき」との答申を受けた。同年9月には、付帯意見として実施計画に反映させるため住民による部会を設置。自主研究会を含め5回の部会を開催。現在は実施計画策定をコンサルに委託中。12年度内に実施計画が完成する予定となっている。